インターブランドジャパンが「Best Japan Brands 2025」を発表 Toyotaが17年連続の第1位

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2025/02/25 10:30

 インターブランドジャパンは、ブランドの持つ価値を金額換算する独自のブランド価値評価(Brand ValuationTM)の手法を用い、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2025」を発表した。

 今年で17回目の発表となるBest Japan Brandsは、インターブランドが2000年より毎年発表するグローバルのブランド価値ランキングBest Global Brands と共通の評価方法を用いており、グローバルのリーディングブランドと日本ブランドの価値を同じモノサシで比較することで、ビジネスの資産としてのブランド価値を世界基準で考察する。ブランドが顧客に対して提供する価値だけではなく、現在そして未来の社会に対する役割や責任に関する活動の評価として、環境・社会・ガバナンス(ESG)データを導⼊し分析している。 

Top 5 Growing Brands(前年比ブランド価値成長率 Top 5)

ASICS(46位、前年比+28%)

ASICSは、創業哲学「健全な身体に健全な精神があれかし-“Anima Sana In Corpore Sano”」を元に、ブランドスローガン「Sound Mind, Sound Body」を設定し、ASICSとしてのすべての判断基準となっている。また、ビジョン “Create Quality Lifestyle through Intelligent Sport Technology”(スポーツでつちかった知的技術により、質の高いライフスタイルを創造する)により「誰もが一生涯、運動・スポーツに関わり、心と身体が健康で居続けられる世界の実現」を目指している。2024年より始動した「中期経営計画2026」では、「グローバル×デジタル」の更なる推進を通じて、本社と地域事業会社の連携を一層強化し「Global Integrated Enterprise」への変革を進めている。また、デジタルの強化により、会員の健康やスポーツをサポートするロイヤリティプログラム「OneASICS」を展開。消費者の生活へのASICSブランドの浸透と定着が推進されている。

Mitsui Fudosan(60位、前年比+26%)

Mitsui Fudosanは、2024年に経営理念を再定義し、新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」と、コーポレートメッセージ「さあ、街から未来をかえよう」を策定、グループロゴの「&マーク」もリニューアルすることで、Mitsui Fudosanの進む方向性を、わかりやすく、具体的に表明した。「日本橋に森をつくる」 “終わらない森”創りとしての国内最大・最高層の木造賃貸オフィスビル、「スポーツの力」を活用した街づくりとして大型多目的アリーナ施設「LaLa arena TOKYO-BAY」などに加え、日本橋でのアジア最大級の宇宙ビジネスイベント「NIHONBASHI SPACE WEEK 2023」やライフサイエンス領域でのコミュニティ「LINK-J」の構築などの新産業創造にも積極的に取り組むなど、コーポレートメッセージを具現化したサービスやイベントの開発を次々に展開。積極的で一貫性のあるコミュニケーションとともに、社会価値の創出する「産業デベロッパー」ブランドとして、グループを挙げてコーポレートブランドの強化に取り組んでいる。

Recruit(13位、前年比+24%)

Recruitは、基本理念として、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現を目指している。そして、目指す世界観「Follow Your Heart」(一人ひとりが、自分に素直に、自分で決める、自分らしい人生。)、果たす役割「まだ、ここにない、出会い。より速く、シンプルに、もっと近くに。」を掲げ、変化するグローバル市場や技術の進化に柔軟かつ持続的に対応し、AI技術を基盤にしたビジネスの進化を遂げている。人と仕事をつなぐ「Hot Pepper Beauty Work」「リクナビ」「リクナビNEXT」、住まいと人をつなぐ「SUUMO」など、迅速かつ正確なマッチングシステムにより競争力を高め、国内からグローバルまで信頼を獲得し、ブランド力を強化している。また、オンライン教育サービス「スタディサプリ」でグッドデザイン賞を受賞するなど、新しい価値創造にも成功している。

Hitachi(26位、前年比+24%)

Hitachiは、IT(Information Technology)×OT (Operational Technology)×プロダクトを活用して、顧客とともに社会課題を解決する「社会イノベーション事業」を推進。2016年より、その基盤となるデジタル技術やナレッジ、ビジネスモデルなどを結集した仕掛け・仕組みLumadaを展開。Lumadaを活用した顧客協創を通じて、お客さまのDXを迅速に実現し、新たな価値を創出し続けてきた。「デジタル」「グリーン」「イノベーション」を成長の原動力と位置づけ、社会イノベーション事業を加速させることで、世界中の人々が望む良いこと、すなわち“GOOD“の実現を目指している。「Hitachi Social Innovation Forum 2024 JAPAN」を開催し、Hitachiの取り組みを対外的に紹介。YouTubeにおいて「HITACHI Brand Channel」オフィシャルチャネルを開設。毎月10本以上の動画を公開し、毎年増え続けているチャンネル登録者数は7.44万人(2024年10月時点)に達し、ブランドの存在感が増している。

ORIX(71位、前年比+22%)

ORIXは、創立60周年の2024年に向けて、さらなる成長のトリガーとなるグローバルビジネス拡大のためには、ORIXの企業風土や強みをグローバルに共有することが重要と考え、1年半をかけて多くのさまざまな社内外の人々とORIX Groupらしさや創りたい未来、社会における存在意義を議論。2023年11月に「ORIX Group Purpose & Culture」としてパーパス(存在意義)「変化に挑み、柔軟な発想と知の融合で、未来をひらくインパクトを。」、Culture(価値観)「多様性を力に変える。」「挑戦をおもしろがる。」「変化にチャンスを見出す。」を制定し、ブランドの方向性を刷新した。それにより多様な事業を展開するグループ内のつながりが強化され、よりORIXブランドの持つ強みが発揮できる環境となり、成長につながっている。また、「価値創造モデル」や「バリューアップモデル」も策定され、成長のためのプロセスが具体的に明示。このような施策により、ブランドの社内外への可視化と強化が加速されている。

New Entrants(初ランクイン)

Tokyo Electron(53位)

Tokyo Electronは、基本理念に「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」を掲げ、革新的かつ多様な技術力・顧客との絶対的な信頼関係・環境変化に柔軟に対応できる社員とそのチャレンジ精神を持つ、半導体製造装置のグローバルリーディングカンパニーとしての地位を確立しつつある。2023年11月に創立60周年を迎え、「半導体の技術革新に貢献する夢と活力のある会社」として、幅広いステークホルダーにその存在感を高めている。

ITOCHU(93位)

ITOCHUは、企業理念「三方よし」のもと、2024年に長期の羅針盤としての経営方針「The Brand-new Deal~利は川下にあり~」を制定した。その柱のひとつとして「企業ブランド価値の向上=定性面の磨き」を掲げ、「マーケットイン」の発想のもと、人的資本・ステークホルダーとの対話・SDGsへの貢献の強化といった地道な定性面の磨きの継続により、ブランド価値のさらなる向上を目指している。

Don Quijote(94位)

Don Quijoteは、徹底した「顧客最優先主義」と「変化対応力」で進化し続けている。「買い得感や驚きの詰まった商品をユーザーと一緒に創り上げるPBブランド」と位置付けた「情熱価格」が高い認知を獲得しており、また、「majicaアプリ」のサービス「マジボイス」を通じて集まった顧客の率直な声を成長ドライブと位置づけ、より良い体験の提供につなげている。さらに、インバウンド需要の取り込みにも注力を続けており、「ドン・キホーテ=日本で立ち寄るべき場所No.1」としての認知度の向上を目指している。

SBI(95位)

SBIは、「顧客中心主義」の徹底と革新的技術への徹底的な信奉を礎に、創業から25年間成長を続けている。オンライン取引における国内株式の売買委託手数料を無料にする「ゼロ革命」など、投資をより身近な存在にすることに貢献し、顧客基盤を拡大している。また、グループ内で相乗効果と相互進化により高い成長ポテンシャルを実現する「企業生態系」の形成とシナジーの徹底追及により、「金融を核に金融を超える」を実現していくことが期待される。

ANA(98位)

ANAは、創立70周年を機に、社員を巻き込んで経営ビジョン「ワクワクで満たされる世界を」を制定し、「ワクワクで満たされる世界」の実現に向けたさまざまな取り組みを行い、わかりやすく発信している。また、「人財」を最大の資本とみなし、経営層と現場との対話の強化や行動指針「ANA’s way」の浸透、社員同士の一体感の強化など、ANAの強みであるチームスピリットをさらに高めるための取り組みを推進している。

Marugame Seimen(99位)

Marugame Seimenは、グループの「食の感動で、この星を満たせ。」のスローガンのもと、昨年、経営方針を「従業員のハピネスを第一に考える」思想へと大きく転換し、さまざまな改革を進めている。「人」への投資による組織強化を推進し、「うどんで、あなたを驚かせたい」のキャッチフレーズを掲げ、打ち立てのうどんのおいしさと職人による手づくりの価値を訴求している。「丸亀うどーなつ」「丸亀シェイクうどん」など、新たな感動体験を提供し続けるとともに、麺職人にフォーカスしたブランドコミュニケーションにより、ブランドへの共感・好意を高め、さらなる顧客ロイヤリティの獲得をめざしている。

Best Japan Brands 2025 (1-50位)

Best Japan Brands 2025 (51-100位)