TISインテックグループのTIS株式会社(以下:TIS)は、三菱UFJ銀行が2025年5月30日より提供を開始したウェルスマネジメント関連の多様な情報を発信する富裕層向けオウンドメディアにおいて、オウンドメディアを通じたタッチポイント拡大のための顧客体験デザインを支援したことを発表。
今回公開されたオウンドメディアでは、資産運用・資産承継・事業承継などの資産管理ソリューション全般についての情報やナレッジ、次世代とともに暮らす新たなライフスタイル情報などが提供されている。三菱UFJ銀行内外のナレッジを結集し、質・鮮度の高い情報を発信することで、アドバイスを必要とする多忙な顧客に寄り添い、継続的に閲覧してもらえるよう、連載マガジンや動画、セミナーやイベントへの招待などの形式で、最新のビジネスやデジタル技術等の体験型コンテンツに触れることができる。
2024年7月から2025年1月にかけて行われた今回のプロジェクトでは、TISのUXデザイン専門チームであるXDStudioが、三菱UFJ銀行のウェルスマネジメントブランドの世界観を踏襲しながら、富裕層ユーザーに最適化されたオウンドメディアサイトの体験デザインを行った。富裕層の心理や価値分析の実施にもとづいたビジュアル制作、ユーザビリティを重視した情報設計、回遊性を高める導線設計やレコメンドロジックの検討などを通じて、ブランドの信頼感を損なうことなく、顧客の関心を自然に資産運用へと導く体験を考慮して設計した。
●デザインプロジェクトの全体像
背景
三菱UFJ銀行は、成長戦略として国内リテール顧客基盤の強化や資産運用立国実現への貢献を掲げ、資産管理ニーズの強い顧客を中心に現在約30万人を超える資産情報の分析・アドバイスを提供している。一方、金融商品取引などでタッチポイントを築けていない富裕層顧客が一定数存在するなど、顧客データの蓄積が少ない点が課題に挙げられていた。
そこで三菱UFJ銀行では、来店や面談が難しい顧客を対象に、ウェブ面談やメールや電話でのリモートアドバイスを提供するため、今回の富裕層向けオウンドメディアの提供開始に至った。
概要
今回のプロジェクトにおける取り組みのポイントは次のとおりです。
ブランド思想の継承と深化
既存のウェルスマネジメントブランドサイトの世界観を踏襲しつつ、オウンドメディアとしての独自性を持たせるため、ビジュアルやトーン&マナーをデザイン。富裕層ユーザーにふさわしい上質な印象と信頼感を提供。
富裕層の心理に寄り添った情報設計
三菱UFJ銀行が実施した顧客インタビューや事業計画書をもとに、ペルソナ・カスタマージャーニーを策定。富裕層の関心や行動特性にもとづき、情報構造や導線を設計。メディア閲覧を通じてサービスへの関心を高め、顧客からの相談につなげるプル型営業手法のUXを実現。
回遊性を高める体験デザイン
顧客の閲覧体験を充実させるため、レコメンドロジックやコンテンツ導線設計を工夫。コンテンツ閲覧時にはレコメンドを通じて閲覧回数を増やし、導線を途切れさせないことで回遊性を担保。これにより、サイト内での滞在時間を延ばし、資産運用への関心を高める仕組みを構築。
プロトタイプとデザインガイドラインの整備
主要画面のデザインモックや閲覧に伴う操作を確認するためのプロトタイプを作成し、関係者間での認識を統一。また、今後の運用や拡張を見据えたデザインガイドラインも整備し、持続可能なサイト運用を支援。
今後について
将来的に生成AIを用いた動画生成やパーソナライズコンテンツ等の機能拡充を目指すオウンドメディアのサポートをはじめ、TISでは今後も、三菱UFJ銀行の富裕層ビジネスを支援していく。