ワコムとマイクロソフト、デジタルペンでインクとAIの連携強化 「最高のインク体験」の実現へ

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2019/05/08 17:00

 ワコムは、ビジネスや教育分野におけるデジタルペンとインク活用のさらなる進展を図るため、アメリカ・マイクロソフト社とのパートナーシップを強化。マイクロソフトの開発者会議「Build 2019」でのスピーチにて、同社インク部門を率いるハイディ・ウォン氏が、ワコムの提供するデジタル・インク技術「WILL 3.0」を、マイクロソフトのAI関連技術「インク・レコグナイザー」と連携させることを発表した。

 また、デジタルペンの広範な互換性のために、2016年にワコムが開始し、マイクロソフトも参画しているUPF(ユニバーサル・ペン・フレームワーク)推進の一環で、ワコムとマイクロソフト両社の最新ペンプロトコルに対応してアップグレードした、新しいBamboo Ink ペン(近日発表予定)も公開した。

 ハイディ・ウォン氏は、Build 2019のスピーチで、「両社のパートナーシップは、ペンとインクにおけるユニバーサルかつ先進的な価値体験を提供する新しい段階へと進みました。単に手書きのメモがテキストに変換されるというレベルを超え、インクが持っている意味をAIが理解し、ユーザーを的確にサポートできるようにしていきます」と述べた。

 ワコムは、マイクロソフトとの協力により、WILL3.0で実現した「セマンティック技術(※)」を活用したノートアプリに組み込み、2019年末を目途に当社の「Wacom Inkspace」アプリで、幅広く提供していく予定である。

※セマンティック(Semantic)技術:コンピューターが、文脈や背景などからある情報の意味や関連性などを理解し、その理解に基づいて自律的に処理を行うことを可能にする。

 マイクロソフト社パートナー・グループのプログラム・マネージャーであるジェリー・コ―氏は「当社の新サービスをいち早く活用してくれたパートナーが、デジタルペンの世界的リーダーであるワコムとなり、とても嬉しく思います。これによってワコムは、Wacom Inkspace アプリのインク認識性能を高め、セマンティックをはじめとした最高のインク体験を実現することができるようになります。両社のパートナーシップによるWacom Inkspace アプリの進化を目のあたりにするのが楽しみです」と述べた。

 両社による革新的な取り組みを最大限に生かすデジタルペンとして、ワコムは新しいBamboo Ink ペンを準備している。ワコムのアクティブ ESとマイクロソフト・ペン・プロトコルの両方に対応してアップグレードされ、軽いタッチでの入力や傾き検知などに優れているのが特徴。新製品の価格や導入時期については、後日発表予定となっている。