ヤフー、「建設的コメント順位付けモデル」API無償提供 初期投資なしでコメント健全化対策が開始可能に

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2020/09/24 05:00

 ヤフー(Yahoo! JAPAN)は、「Yahoo!ニュース コメント」の健全化を目的に導入している「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」を利用してコメントを評価する技術のAPIの無償提供を開始する。日本国内の投稿系サービス事業者は、同社のAPIを活用することで、自社サービスに投稿されたコメントをAIで評価し、それをもとに自社においてコメントの削除や表示順の並び替えなどを行うことができる。

 「Yahoo!ニュース」はユーザーがニュースを通してさまざまな意見に触れ、新たな視点を得るきっかけを作るために、配信される記事に意見や感想を投稿できる機能「Yahoo!ニュース コメント」を2007年より提供。同サービスでは健全な言論空間を創出するため、専門チームによる人的なパトロールに加えて、自社で開発したAIを利用して、誹謗中傷などの不適切な投稿を1日平均約2万件削除するなど、不適切な投稿への対策を行っている。

 加えて、言論空間のさらなる健全化と充実化を目指し、AIによって「客観的で、必要であれば根拠を提示している」「新たな考え方や解決策、見識を提供する」などの条件を満たす建設的なコメントをスコアリングし、スコアが高いものを上位表示させる同社独自の技術である「建設的コメント順位付けモデル」を2018年から取り入れているという。

 今回同社は、「建設的コメント順位付けモデル」のAI技術を外部へ無償で提供。投稿系サービス事業者は、1日平均33万件以上の投稿があるYahoo!ニュースのコメント対策に活用されている同AI技術を導入することにより、AI開発に必要となる大量の学習データや計算コストなどの初期投資をかけずに、自社サービスのコメント健全化対策を開始することが可能となる。なお、同AI技術については、複数の特許を出願中とのこと。

「建設的コメント順位付けモデル」の特徴

以下のいずれかの条件を満たすコメントに高いスコアを付与する。

  • 自分の意見を元に議論を喚起する発言
  • 客観的で、必要であれば根拠を提示している発言・新たな考え方や解決策、見識を提供する発言
  • 記事に関係する珍しい経験談