CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D.パワージャパンは、J.D.パワー2020年後期QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度調査の結果を発表した。
中長期的なトレンドとしてキャンペーンの魅力度が低下する一方、利用可能店舗数やセキュリティでの評価が向上
同調査を1年前の同調査(2019年9月発表)と比較すると、キャンペーンについて「魅力的である」との回答は58%から36%まで減少した。
一方、利用できる店舗・ウェブサイトについて「豊富である」と答えたユーザーは24%から37%まで増加しているほか、「キャッシュレス決済はセキュリティ面で安心」との回答も34%から49%まで増加している。
また、利用頻度については、主に利用しているQR・バーコード決済サービスを「週に1度以上」使うユーザーが52%から64%まで増加している。この背景には、コロナ禍で非接触決済への意向の高まりという一過性の動きだけでなく、利用できる店舗・ウェブサイトの数の増加やセキュリティに対する信頼感が高まってきたことが要因のひとつであると推察される。
新型コロナウイルス感染拡大を受けてQRコード・バーコード決済サービスでの支払い比率は上昇
前回調査(2020年3月発表)と比較すると、新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言を受けて非接触型の生活様式が広がったことから、QRコード・バーコード決済サービスの利用実態や意識にも変化が見られた。
新型コロナウイルス感染拡大前後で比較し、QRコード・バーコード決済サービスでの支払い比率の変化については、「比率が高くなった」または「やや比率が高くなった」ユーザーが45%となっている。その理由(複数回答)として、「QR・バーコード決済サービスに対応する店舗やウェブサイトが増えたから」(57%)がもっとも多いものの、「新型コロナウイルスの感染対策として、支払いをする際に店員との接触時間を短くできるから」(46%)、「現金授受による新型コロナウイルスの感染が心配だから」(40%)といった感染リスク軽減効果を期待する声も聞かれる結果となった。
J.D.パワー2020年後期QRコード・バーコード決済サービス顧客満足度No.1を発表
同調査で対象となった6ブランドのうち、総合満足度で上位にランクしたブランドは次のとおり。
第1位:メルペイ(627ポイント)
「決済手続き/管理」「キャンペーン/ポイントサービス」の2ファクターで最高評価。
第2位:楽天ペイ(626ポイント)
「アプリのアカウント設定」ファクターで最高評価。
第3位:d払い(620ポイント)
「セキュリティ/不正利用防止対策」ファクターで最高評価。
調査概要
QRコード・バーコード決済サービスに対する満足度を聴取し明らかにする調査。半年ごとに実施し、今回で3回目の実施となる。
- 実施期間:2020年7~8月
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:直近3ヶ月以内にQRコード・バーコード決済サービスを利用した20~60代男女
- 調査回答者数:3,000人
総合的な顧客満足度に影響を与えるファクターを設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価をもとに1,000ポイント満点で総合満足度スコアを算出。顧客満足度を構成するファクターは、総合満足度に対する影響度が大きい順に、「キャンペーン/ポイントサービス」(26%)、「決済手続き/管理」(26%)、「アプリのアカウント設定」(18%)、「利用できる店舗・ウェブサイト」(16%)、「セキュリティ/不正利用防止対策」(14%)となっている(カッコ内は影響度)。