凸版印刷は、新型コロナウイルスによる社内外への感染拡大抑止と従業員の安全確保のため、2021年度新入社員研修を、昨年に引き続き完全オンラインで実施することを発表した。さらに、昨年度の新入社員研修プログラムの内容を踏襲しつつ、新たなコンテンツとしてバーチャル空間上に「トッパンVRオンライン研修センター」を構築。2021年度新入社員研修のメイン会場として、2021年4月1日(木)より導入を開始する。
同センターは、トッパン小石川ビルをバーチャル空間上に忠実に再現。「TOPPAN Entrance」、「TOPPAN VR Hall」、「TOPPAN VR Academy」、「TOPPAN HR Mall」から構成される、バーチャルオフィスとして機能する。また、新入社員約20人にひとりの割合で配置する先輩社員トレーナーもバーチャル空間上に出社。新入社員の不安を払拭する手厚いサポート体制をバーチャル空間上で整備する。
同センターの特徴は、次のとおり。
TOPPAN Entrance(トッパンエントランス)
案内掲示板や学習コンテンツへの動線といった研修の導入部分として機能する部分。また、障がいを持つアーティストが描いたアート作品の、オンライン展示会場としても使用される。同時に、2020年11月に実施したVRオンラインアート展示会の舞台である、バーチャル空間上の龍寶山 大徳寺「瑞峯院」にも接続可能。さらに「リラックスできる呼吸法」の動画を視聴することができるリラックススペースも設置し、オンライン研修における新入社員の疲労軽減を目指す。
TOPPAN VR Hall(トッパンVRホール)
トッパンホール内を360度VRで見学・体験できるとともに、舞台上にはオリジナルコンテンツ(凸版印刷の歴史、印刷技術に関する動画コンテンツなど)を配置。受講者がいつでも自由に学ぶことができる空間になっている。
TOPPAN VR Academy(トッパンVRアカデミー)
印刷博物館のプロローグとVRシアターを見学できる。凸版印刷のVR技術やデジタルアーカイブの取り組みに関する動画コンテンツを視聴することができる。
TOPPAN HR Mall(トッパンHRモール)
全席フリーアドレス制を導入したバーチャルオフィスで、新入社員研修のeラーニングプラットフォームにアクセスでき、そのプラットフォームにてオンライン講義の受講や先輩社員とのコミュニケーションなどを実施することができる。
2021年度大卒新入社員研修について
2020年度に続いて2年連続完全オンラインで実施。昨年度の新入社員研修プログラムの内容を踏襲したオンライン研修プログラムに加え、新たに同センターを導入することにより、新入社員は自宅にいながらデジタルオフィスに出社できる。
今回、新たな研修コンテンツとして、日本の伝統文化をテーマにした「文化教養VR研修」を導入。 奈良・唐招提寺のVR コンテンツをインタラクティブに鑑賞するとともに、同寺僧侶との対話を行い、現代のビジネスに必要な「リベラルアーツ」を学ぶ姿勢を身に付ける。
また、紙製ヘッドマウントディスプレイ「VRscope」と、スマートフォンを全新入社員に貸与。凸版印刷が制作した危険体感VRや、福島県の被災地視察VR映像を活用した研修プログラムを実施する。
- 実施期間:2021年4月1日(木)~4月23日(金)※予定
- 対象者:凸版印刷およびグループ会社の2021年度定期大卒新入社員 (約465名)
研修内容
- 事前に収録した動画を用いた会社に関する基礎知識などの研修
- ライブ配信セミナー
- オリジナルの「みんなのコンディションアプリ」を用いたコンディション管理および、精神的な不調リスクへの対策
- 約20人にひとりの割合で社員トレーナーを配置するサポート体制
- 朝/昼/夕と、トレーナーや新入社員同士の交流を深めるライブコミュニケーション
- DX関連プログラム
- 芸術造形研究所と共同で企画した臨床美術プログラム「アートサロン@HOME」
- 「VRscope」を活用した危険体感や被災地視察プログラム
- 奈良・唐招提寺をVRで学ぶ「文化教養VR研修」
同社は今後、今回の2021年度新入社員向けの試験導入の実証結果をもとに、新入社員研修に留まらず、各階層別研修や選抜リーダープログラムにも活用し、バーチャル施設の増設とコンテンツの拡充を実施する考え。
また同取り組みを、同社の持つ最新テクノロジーの実証実験の場として活用していくと同時に、デジタル時代の新たなコミュニケーションプラットフォームとして将来的には外販を目指していくとのこと。