JMCは、八十島プロシード、原田車両設計と、国内トップクラスの設備を有する設計・製造集団として3Dプリンターのさらなる啓蒙と市場開拓を進めていくための協業体制を確立することで合意したことを発表した。
JMC、八十島プロシード、原田車両設計(以下:協業3社)はともに3Dプリンターを用いた設計・開発・生産を通じて、顧客の要求する製品を提案しているが、近年、製品に対する要求の高度化・スピード化・多様化が進むなか、新たな領域において自他のリソースにとらわれず、幅広い選択肢を顧客に提案することを模索していた。同取り組みでは協業プロジェクト「3D innovation Hub」を発足し、3Dプリンター出力全般、とりわけAdditive Manufacturing(付加製造/3Dデータを参照して、素材を積み重ねて形をつくる製造方法)の国内での啓蒙を進めるうえで課題となっている具体的なプロダクトの提案や、早期の製品化のため、新領域のビジネスに関しては従来の枠にとらわれない実務面での協業を進める。
協業3社の保有する3Dプリンターは合計で47台に達し、樹脂・金属の様々な造形方式において、設計・造形対応が可能に。同社は3Dプリンター黎明期から蓄積した技術、厚い顧客層と産業用CTを用いた解析を得意とし、八十島プロシードは切削事業に3Dプリンターを応用し、航空分野・医療分野へと事業のフィールドを広げている。また、原田車両設計は優れた設計提案力で大手自動車メーカー、重工系メーカーからの信頼を獲得しているという。協業3社がそれぞれの特徴を活かしながら、3Dプリンター業界での横断的組織として機能することで、設計・製造・品質保証における各社の強みを活かした強力な受託製造の体制を構築し受注獲得機会の増大を進めるとともに、新たな材料、新たな設備の共同開発を進め、3Dプリンター業界の活性化を目指す。
協業体制の目的
- 新領域での3Dプリンター製品の設計・試作・生産
- 新領域での産業用CTを用いた開発および品質担保・解析
- 製品開発フェーズに沿った3Dプリンター活用方法と造形品の提案
- 既存市場にない素材による造形への取り組み
- 3Dプリンターに関する保守・点検の請負
今後協業3社では、EOSジャパン社を始めとした装置メーカーとの技術交流や、素材メーカーとのタイアップによる新たな造形素材の検討などを通じ、高レベルなものづくりを行い、自動車分野や航空・宇宙分野での採用をにらんだ提案など、3Dプリンター製品の使用領域拡大を目指す考え。