Sansan、オフィスとリモートワーク掛け合わせた新勤務形態開始 「マルチプロダクト体制」へ移行発表

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2021/10/06 06:00

 Sansanは、ビジョンである「ビジネスインフラになる」の実現に向け、組織の生産性と創造性を向上させるため、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を考慮しながら、オフィス・セントリックな働き方(リモートワークを併用しつつ、オフィスを基点とする働き方)に順次、切り替えることを発表した。

 今回制定した新たな勤務形態では、オフィスにおける対面でのコミュニケーションをベースとしながらも、リモートワークを掛け合わせた効率的な働き方ができるようになった。職種ごとに出社頻度を見直し、自ら選択することが可能だという。

 またあわせて、コロナ禍でも事業成長を止めないために、創業以来続けてきた、Sansan事業部、Eight事業部を中心とした事業部制を廃止し、「マルチプロダクト体制」へと組織体制の変更も行っている。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により先行きが見えない時代においても、新たな体制の構築および多様な働き方への対応により事業の拡大・成長を加速させ、ミッションの達成とビジョンの実現を目指す。

勤務形態の改定および、組織体制移行の背景

 同社は「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして、また、「ビジネスインフラになる」をビジョンに掲げ、働き方を変えるDXサービスを中心とした事業活動を行っている。これまで、ミッション・ビジョンのもとに事業活動を推進するなかで、さまざまな働き方を検証し柔軟に導入し、社員の生産性や創造性を高める取り組みを加速させてきた。

 2010年には、徳島県神山町にサテライトオフィス「Sansan 神山ラボ」を設置し、自社の働き方の実験として、リモートワークを先駆けて実施してきました。その知見を生かすことで、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大期には、リモートワーク体制へのスムーズな移行を実現している。

 今後、さらに組織の生産性を高め、事業を拡大・成長させるため、オフィス中心の働き方への移行と新しい組織体制への移行を実施。実際、海外の企業においては、「Office-Centric(オフィス・セントリック)」という言葉のもと、対面でのコミュニケーションを中心としつつリモートワークを組み合わせる、After コロナを見据えた働き方への移行が開始されている。国内において新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進むなか、同社においても、オフィス中心の勤務形態へ移っていく。

 今回の更新は、コロナ禍における一過性の対応ではなく、今後同社のスタンダードとなるもので、これにより同社事業の拡大・成長を加速させていく考え。

新しい働き方制度について

 同社の「新しい働き方」においては、完全リモートワークの体制にはせず、新型コロナウイルス感染症対策を行うことを前提として、対面コミュニケーションを中心とした勤務形態を制定。オフィスを基点としながらも、職種ごとに出社頻度を選択することが可能になり、出社とリモートワークを掛け合わせて、業務の生産性向上を目指す。

 今回の新制度により同社は、コミュニケーションの効率化における生産性の向上と、多様な背景・働き方の考えを持つ人材の受け入れを加速することによる採用力の強化により、さらなる事業成長につなげることを目指している。

エンジニア、クリエイティブ職向け

 エンジニアおよびデザイナー、クリエイターは、自身の勤務形態を週1日の出社、または週3日の出社から選択できる。開発業務などをリモートワークで行うことで、集中して開発・制作に取り組めるようになり、生産性を向上させる。

ビジネス職(営業・コーポレート部門)向け

 ビジネス職については、業務上、対面での連携における生産性の向上が一定認められることから、会社での週3日の出社業務を基準とし、残りをリモートワークにすることが可能。これにより、生産性を高めるオフラインコミュニケーションと、リモートワークを掛け合わせて業務を行えるようになる。

 なお、政府が発出する緊急事態宣言下においては、原則在宅勤務となり、業務上出社が必要な社員以外は在宅勤務を実施。また、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を常に考慮しながら、出社コードを見直している。

 引き続き、オンライン・オフラインを併用した働き方において、さらに社員が生産性を高めて働くことをサポートする社内制度を開発し、社内に展開する。

 また、新オフィスフロアの開設も発表。中規模のセミナースペースのほか、対面で面接を行うための部屋を開設し、新型コロナウイルス感染症の動向に注視しながらも、採用活動を加速させるとのこと。

新組織体制について

 同社は創業以来、「Sansan」を中心としたクラウド名刺管理サービス事業を主軸に事業を展開。今回、ビジネスインフラを目指す同社の動きをより加速させるために、2007年の創業以来続いた「事業部体制」を廃止し、「マルチプロダクト体制」へ移行する。マルチプロダクト体制では、各事業部にわかれていた、営業およびマーケティング機能を「ビジネス統括本部」に、プロダクト開発に所属するエンジニアとデータ統括組織DSOCの研究開発機能を「技術本部」に集約する。

 プロダクトをけん引するのは、「Unit」という単位に切り分けられた組織。Sansan Unit、Bill One Unit、Seminar One Unitなど、新規事業のUnitを含め、6つのUnit組織を設置した。

 この組織改編により、次の効果を見込んでいる。

営業力・開発力の強化

 営業・開発の機能を集約し、約460名の営業組織、約360名のエンジニア組織が誕生。ビジネス統括本部では、営業、セールスディベロップメント、カスタマーサクセス、マーケティングといった部門を有し、新規ユーザーへの包括的な提案や利用促進を後押しすることができるようになる。また、技術本部においては、それぞれのサービス開発の知見を持ち寄ることにより、開発力を高め、事業成長を支えるものづくりを加速させる。

サービス競争力の強化

 プロダクトUnitには責任者であるGeneral Manager(GM)と、Product Marketing Manager(PMM)のもと、サービスの機能開発やプロダクトマーケットフィット(PMF)の達成を目指す。これにより今後新たなサービスの提供が加速するとともに、既存サービスにおいては、新機能の開発を円滑に行えるようになる。