ミマキエンジニアリング、3Dプリンタで使用するデータのエラー修正と形状の自動最適化サービス発表

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2021/10/11 05:00

 産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛けるミマキエンジニアリングは、3Dプリンタの造形時に用いる3Dデータを自動でエラー修正し、形状を最適化するクラウドソフトウェアサービス「Mimaki 3D Print prep Pro(3DP3)」を発表した。同ソフトウェアは、同社初のサブスクリプション型サービスでの提供となる。

 近年、3Dプリンタが身近になる一方で、3Dプリントを行う際は、3Dデータにエラーがないか事前に確認する必要があり、エラーを修正するためのさまざまな機能が搭載されたソフトウェアは高価で、操作の習得には3Dデータを扱う知識と時間を要していた。こうした3Dデータの修正は、3Dプリンタのさらなる普及において課題のひとつとなっている。

 今回発表した「Mimaki 3D Print prep Pro」は、3Dデータから3Dプリントを行う際に必要となるエラー修正を簡易操作で自動実行でき、さらに3Dモデルに適した形状に最適化することができる。これにより、3Dデータの扱いに不慣れな場合でも容易にエラー修正が行え、修正時間の軽減に貢献する。

 同製品は8種の主要な機能「厚み修正」「隙間埋め修正」「中空形状修正」「クリアパーツのカット修正」「テクスチャデータの最適化」「マテリアルカラー有効化設定」「穴埋め修正」「VRMデータ修正」を備えており、細かな修正を行う際は任意に数値を指定してから自動修正することも可能。プリント前にエラー情報の有無を確認し、修正することで、時間や材料を無駄にすることなく確実な造形が可能となる。

 同製品は、1,000万色以上のフルカラー3Dプリントを実現する同社のUV硬化インクジェット方式のフルカラー3Dプリンタ・3DUJシリーズに対応したソフトウェアとなる。

 主な特徴は次のとおり。

3Dデータのエラーを自動修正

3Dデータの作成方法によって、3Dプリントに適さない場合があります。本製品は、そのような際に3Dデータのエラーを自動修正し、形状を最適化する。

3D造形のワークフロー
3D造形のワークフロー

容易な操作

 ブラウザ上で操作するシンプルなワークフロー。データをアップロード後、修正方法を選択するだけでデータ修正が完了する。修正が完了したら自動でお知らせメールが届く。

造形物の種類により最適な4つの修正方法を選択可能

 キャラクターモデルに適した「Character」、機械的なモデルに適した「Mechanical」、自動車のようなモデルに適した「Vehicle」の「3つの簡易修正タイプ」から選択することで、タイプに合わせた3Dモデルの自動修正条件をすばやく設定することができる。そのほかに、さまざまな修正機能を任意でコントロールできる「Pro」も用意。用途に合わせて自動修正の条件を指定できる。

8つの機能

THICKNESS(厚み修正)

3Dデータの薄い部分に厚みを増やす。厚みを増やすことで造形物の強度を高める。3DUJシリーズにおいて厚みが薄いことにより色が透過する際にも有効。

CLEARANCE(隙間埋め修正)

3Dデータ内部の隙間を埋める。内部の隙間を埋める事で、造形物の強度を増すことができる。

HOLLOWING(中空形状修正)

3Dデータの形状を空洞にする機能。造形物を軽量化する。

CUT TRANSPARENT PARTS(クリアパーツ〈3Dデータの作成過程でガイドラインとして使用するパーツ〉のカット修正)

3Dプリント用に作成されていない3Dゲームや映像などの3Dデータには、3Dプリントに不要なクリアパーツを含んでいる場合がある。このクリアパーツを削除する。

TEXTURE OPTIMIZATION(テクスチャデータの最適化)

テクスチャデータを自動で最適配置。複数のテクスチャデータもひとつのデータに集約できるため、3Dプリント時の処理速度が向上する。

MIX TEXTURE AND MATERIAL COLORS(マテリアルカラー〈素材自体が持っている色〉有効化設定)

3Dデータ内にあるマテリアルカラーとテクスチャを3Dプリント用データへ反映させる。テクスチャにマテリアルカラーのデザインを指定した際に有効。

CLOSE HOLES(穴埋め修正)

3Dデータの穴を埋める機能。3Dデータの周囲のテクスチャ情報を参考に自動で色を付け、穴を埋めて修正する。

USE VRM PIPELINE(VRMデータ〈VRアプリケーション用のアバター専用ファイルフォーマット〉修正)

アバター用に作られた「VRMデータ」の修正に特化した機能です。作成過程でガイドラインとして使用しているクリアパーツの削除や、表面の平滑化など複数の修正を行う。

わかりやすい確認画面

3Dデータのエラー数やモデル情報、形状や色味を修正前後で確認することができる。スライスビュー機能で3Dデータを断面表示して内部の修正結果を確認することも可能。