DNPとGumGumが連携、クッキーに依存しないコンテクスチュアル・ターゲティング提供開始

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2022/03/11 06:00

 大日本印刷(以下、DNP)はGumGum Japan(以下、GumGum:ガムガム)と協業し、ウェブページの画像と文章をAI(人工知能)が自動解析することで、ウェブページの内容(文脈=コンテキスト)に最適な広告を選んで配信するサービス「GumGumターゲティング」を、DNP独自の広告取引経済圏「DNP Marketplace」に組み込んで提供を開始した。

 広告業界を中心に世界的にプライバシー保護の重要性が高まるなか、日本でも2022年4月に施行される改正個人情報保護法で、サードパーティークッキーが廃止される。これにより、生活者がサイトで見た製品や関連製品の広告を表示するターゲティング(追跡型)広告や、生活者のネット閲覧履歴などに基づく分析や効果測定が困難になるため、広告媒体社や広告主は、クッキーに依存しないマーケティング戦略の構築を急いでいる。

 この課題に対して今、広告配信先となるウェブページを解析し、その内容に適した広告を選び出して配信する「コンテクスチュアル・ターゲティング広告」が注目されている。

 DNPは今回、このコンテクスチュアル・ターゲティング広告をグローバルに展開し、不適切な広告を掲載しないことで広告主・媒体のブランドイメージを守る“ブランドセーフティー”で多くの実績があるGumGumと連携。DNP独自の広告取引経済圏「DNP Marketplace」において、クッキーに依存せずに高精度に分類(セグメント化)したターゲットに対して、最適な広告を高い質で選択して配信する「GumGumターゲティング」の提供を開始した。

 同サービスの特徴は、次のとおり。

ウェブページの文脈を解析してターゲティング

 広告配信先のウェブページの文章と画像をAIが自動解析し、その文脈に沿った広告を高精度に選択して配信するサービス。個々のウェブページと関連性が高い広告を表示することで、クッキーを用いて生活者を追跡することなく、生活者の興味がある分野の広告を掲載できる。各ウェブページとの親和性が低い不適切な広告配信を回避することにもつながるため、生活者や広告主、広告掲載媒体のすべてにメリットを提供する。

多彩な広告表現(クリエイティブ)による効果の拡大

 広告主となる企業のブランディングやキャンペーンなどの施策に合わせて、多彩な広告表現(クリエイティブ)を企画・制作する。画一化しがちなバナー広告だけではなく、各企業が提供する文章や画像などの素材を活かし、ウェブページのコンテキストに合わせた多様なクリエイティブを展開することで、企業や製品・サービスのブランドイメージの強化・向上につなげていく。

高品質なコンテンツを提供する出版社などのウェブサイトに広告を配信

 広告表示回数が月間450億回を超える広告掲載媒体とのネットワークを持ち、雑誌などのブランドのもとで高品質なコンテンツを提供する出版社などが運営するウェブサイトに広告を配信する「DNP Marketplace」上で、コンテクスチュアル・ターゲティング広告を展開する。

 今後DNPは、クッキーを使用しない同サービスを通じて、企業ブランディングの強化・向上につなげていく考え。また、多様化する広告主の要望に対して、コンテクスチュアル・ターゲティング広告に加えて、共通ID(不可逆的な暗号化を行い、個々のIDと連動させて生成する匿名のID)などを用いたターゲティング広告のソリューションを強化するなど、企業のデジタルマーケティングの効果の拡大を支援していく。