GMOペパボ・DNP・エイベックス、アート画像を素材にした“二次創作”を促進する実証実験開始

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2022/05/31 06:00

 GMOペパボと大日本印刷(以下、DNP)、エイベックス・テクノロジーズは、個人クリエイターを主な対象とし、第三者の著作物であるアート作品の画像データを素材に新しいコンテンツを創作する「二次創作」に関する実証実験を、2022年5月26日(木)〜8月31日(水)の期間で実施する。

 同実験は、ブロックチェーン技術を活用してコンテンツ利用に関する正規の許諾を証明することで、個人クリエイターによる「二次創作」の権利取得を簡便化し、「二次創作」の促進につながることを実証するもの。また今後、「n次創作」のコンテンツ市場を活性化させていくことを目指している。

 個人クリエイターが第三者の著作物を素材として新しいコンテンツを創作し(「二次創作」)、さらに別の個人クリエイターが二次創作物を素材に別のコンテンツを創作する(「n次創作」)循環の実現は、コンテンツ市場の活性化につながると期待されている。一方で、権利許諾を得るためには煩雑な手続きが必要になり、個人クリエイターが「n次創作」を公開・販売する際の障害となっていた。こうした機会損失による潜在市場は1兆4千億円と推定されている(出典:経済産業省の令和元年度知的財産権ワーキング・グループ等侵害対策強化事業n次創作活動に関する調査)。

 今回3社はこの課題に対して、DNPグループがこれまで法人を対象に行っていたアート画像の利用許諾を個人クリエイターに広げ、個人クリエイターが「二次創作」を行える環境を提供し、「二次創作」の促進につなげる実証実験を行うという。

実証実験の概要

  • GMOペパボが運営するハンドメイドマーケット「minneミンネ byGMOペパボ」の作家・ブランドを対象に、創作のためにアート画像を貸出するウェブサイト「イメージアーカイブ・ラボ」を開設。
  • 「イメージアーカイブ・ラボ」は、フランス国立美術館連合(RMN-Grand Palais)が管理し、DNPグループのDNPアートコミュニケーションズが提供するダ・ヴィンチの「モナ・リザ(ラ・ジョコンダ)」やゴッホの「星降る夜、アルル」などの画像データを「二次創作」に利用することを許諾する。
  • 作家・ブランドは、「二次創作」したハンドメイド作品を「minne byGMOペパボ」で販売することが可能。実証実験における販売期間は2022年5月26日(木)~8月31日(水)を予定している。
  • 「minne byGMOペパボ」に出品する際に、エイベックス・テクノロジーズが提供するデジタル証明書サービス「 A trust」を利用して、ブロックチェーン技術を使った証明書にリンクすることで、正規に画像の利用許諾を受けていることを証明できる。
  • 作家・ブランドに対する利用許諾費用は、ハンドメイド作品の販売価格に応じて設定される。
  • 一部の「二次創作」ハンドメイド作品は、DNPアートコミュニケーションズが東京・銀座で運営する、世界の美術館・博物館の情報提供やミュージアム・グッズの販売を行う「MMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)」でも販売する予定とのこと。

サービス事業化までの流れ

 DNPは、2021年12月~2022年1月に、個人クリエイターに特定のアート画像を利用したハンドメイド作品の創作・販売を促す実証実験を行い、個人クリエイターへのアート画像の権利許諾サービスのニーズを確認した。

 今回はそのニーズに応え、ブロックチェーン技術を実装してコンテンツ利用に関する正規の許諾を証明することで、サービス有用性と事業性を見据えた実証実験を3社で行う。

 さらに同実証実験を踏まえ、多くの個人クリエイターがアートをより身近に感じるとともに、安心して「n次創作」を行える環境を提供できるよう、2023年度のサービスの事業化を目指す。