PwCコンサルティングは、メタバースを活用した社内コミュニケーションに関するコンサルティングサービスを提供開始した。
新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、企業の事業活動のありかたから、そこで働く従業員ひとりひとりの働き方や価値観にまで大きく影響を与え、企業はさまざまな対応を迫られている。PwCコンサルティングとHR総研(ProFuture社)が共同で行った調査「「ワークスタイル調査~日本企業におけるワークスタイル変革の現状と展望」では、コミュニケーションやマネジメント、および組織の一体感とコラボレーションが今後の課題として浮き彫りになっており、イベント主催者は、各種イベントをオンライン、対面、そしてオンラインと対面のハイブリットで実施するなど、開催方法を模索しているのが現状となっている。
このような背景のもと、PwCコンサルティングでは、新たな試みとしてメタバース空間において全社員を参加対象としたイベントを自社で企画/開催。「社員を対象としたメタバースの実証実験」と位置づけ、メタバースを活用した社内イベントにおける課題や効果を洗い出し、得られた示唆を調査レポートとしてまとめた。同サービスは、同調査レポートを通じて得られた知見をもとにしており、社員を対象としたイベントの開催などを包括的に支援する。
サービス概要
メタバースを活用した社内コミュニケーションに関するコンサルティングサービスは、企画立案からイベントのコンテンツ制作、イベント運営から開催後の効果検証まで網羅。社内コミュニケーションには、事業戦略浸透や従業員エンゲージメント向上、社員間コミュニケーションの活性化を目的としたものなどが含まれ、準備から実行までに要する期間は、約5ヵ月となっている。
- 社内戦略の確認、イベントの目的設定・設計
- イベントのコンテンツ企画
- VRゴーグルの貸し出し
- VRゴーグルなどの配送を含むロジスティクスの実行
- メタバース環境の構築
- イベント運営
- イベント開催後の満足度測定、効果測定、結果集計・分析など
PwCコンサルティングがまとめた調査レポート「大規模メタバース社内イベント実証実験」によると、VRを活用したイベントへの再参加意識は高く、VRゴーグルを用いて参加した人の約96%が「次回も参加したい」と回答。また、「社内戦略に対する理解度の変化」についての調査結果を要素分解して評価したところ、「内容理解のしやすさ」というポイントについて、メタバースイベントの有効性が示唆されていた。一方、VR 酔いや、機器のセットアップ、プライバシーやセキュリティに関してネガティブなイメージを持つなどの課題も明らかとなっている。同サービスでは、社内戦略の理解度の高さに着目しサービス設計するとともに、同調査で特定した課題を回避・低減することを考慮しているとのこと。
調査レポート概要
- 調査名: 大規模メタバース社内イベント実証実験
- 調査目的: 企業がメタバースを使い社内イベントを実施する際に直面する課題やハードル、得られる効果を明らかにする
- 調査方法: オンラインアンケートフォームを活用
- 調査期間: 2022年7月8日(金)~2022年7月22日(金)
- 調査対象: PwC コンサルティング社員
- 有効回答: 628件(イベント不参加者を含む)