ミラティブが34億円の資金調達 「ライブゲーミング」で常時接続時代のSNSとしての成長が加速

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2022/11/17 17:00

  スマホひとつで誰でも容易にゲーム配信ができる、スマホ画面共有型ゲーム配信プラットフォーム「Mirrativ(ミラティブ)」を運営するミラティブは、MIXI、丸井グループ、KDDI Open Innovation Fund 3号、バンダイナムコエンターテインメント、セガの5社を新たな引受先とした第三者割当増資を実施した。商工組合中央金庫、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行からの融資を含め、合計34億円の資金調達となる。今回の調達により、同社の累計調達額は約97億円となる。

 今後は、日本のSNS・スマホゲーム業界を牽引してきたMIXIやゲーム・エンタメ業界を代表するバンダイナムコエンターテインメント、セガが培ってきたゲーム体験やIPとライブゲーミングの融合をさらに推進。また、関東を中心に大型店舗を持つ丸井グループや日本の通信事業を代表するKDDIと連携することで、オフラインを含めたコミュニティを盛り上げ、クリエイターエコノミーを支援していく。

 調達資金を活用して、ライブゲーミングへの投資を強化するとともにマーケティング施策にも注力していく。ライブゲーミング周辺に起こる最先端のユーザー体験とそれをきっかけに生まれるコミュニケーション体験をより多くの人に届けていく。

直近の事業状況

低開発費で大きな売上可能性をもつライブゲーミング市場にMIXI他ゲーム会社が多数参画

ゲームとゲーム実況を融合させたゲーム体験=ライブゲーミングは、現時点でリリースまで1,500万円〜4,000万円程度と低開発費でありながら、ユーザーや配信者同士のギフトの贈りあいを活性化させる構造であるためソーシャルゲームに劣らない平均課金額を期待できる市場。MIXIをはじめとする多くのゲーム関連企業がすでにライブゲーミング市場に参画している

実績のある大手ゲーム会社や可能性に満ちたパブリッシャーと共に、黎明期の醍醐味である新しい発見と改善を日々繰り返しながら売上成長を続けている。

配信者比率約30%、経済活動も活発化 日本最大のスマホゲーム配信者数を誇る常時接続時代のSNS

日本最大のスマホゲーム配信者数を保有し、アクティブなユーザーに対する配信者比率が約30%と高いMirrativには、配信者が互いの配信を行き来する親密でアットホームなコミュニティがある。直近の1日の配信者のうち約40%が100日以上連続で配信を行っている。さらに、ギフトの贈りあいといった経済的活動も活発に行われ、100日以上継続して配信する配信者の約70%に報酬が発生している。

今後の展望

昨今、さまざまな社会的事情もあって分断が加速し、深刻な社会問題となっている。ミラティブは「だれかとわかりあいたい」と願う人々のコミュニケーションをつなぐことを目的に、ミッション「わかりあう願いをつなごう」とビジョン「好きでつながり、自分の物語(ナラティブ)が生まれる居場所」を掲げている。

同社は、オンライン/バーチャル空間上で人が集まり、交流するきっかけを生むライブゲーミングが、急速に拡大するメタバースにおけるキラーコンテンツになると確信している。

SNS・アバター・ゲームといった要素で構成され、長時間ユーザーが滞在して経済活動も行うミラティブは、メタバースの構成要素が揃うプラットフォーム。これからもメタバースの本質を捉え、人が集まる・人で賑わうプラットフォームを目指す。

今後もユーザーに向き合いながらミッションとビジョンの実現を推進していく。

調達後もライブゲーミングに積極投資、マーケティング強化でユーザー数拡大へ 採用も強化

調達した資金をもとに、おもに以下の3点に注力する。

  • 「ライブゲーミング」事業への投資を強化、ユーザー規模拡大に向けたマーケティング施策と、配信者と視聴者がつながるゲーム体験の発明・開発を進めていく
  • ミラティブ独自のクリエイターエコノミーを拡大・多様化に注力、ゲーム業界のみならず通信や金融業界との連携を強化しコミュニティの活性化と経済基盤の安定化を進めていく
  • ミラティブを支える優秀な人材の獲得、ハイレイヤー人材の採用に引き続き注力する

おもな投資家からのコメント

株式会社MIXI 執行役員 投資事業推進本部 本部長 奥山 翔 氏

ミラティブ様との出会いは遡ること2018年でした。ユーザーの熱量が高くとても良いサービスだと思い、そのころから興味を惹かれていました。この度、リード投資家として参画できたことを大変嬉しく思っております。

当社は『豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。』をパーパスとして掲げ、『「心もつながる」場と機会の創造。』をミッションに事業を展開しております。ミラティブ様のサービス思想や、そのプラットフォーム上でユーザーの皆様によってなされる様々な活動は、当社のパーパスとミッションに共通するところが多く、今後両社で取り組む様々な協業を通じて、さらに提供価値を向上できればと思っております。

株式会社丸井グループ 代表取締役 青井 浩氏

この度、ミラティブ様への出資が完了し、本格的な協業が始まることを嬉しく思っております。ミラティブ様とは、当社の店舗を通じたユーザー向けのイベントの開催や、ユーザーの皆様をつなぐフィンテックの取り組みを通じて、協業を進めてまいります。

一人ひとりの「好き」を起点にした「仲間づくり」を通じて、将来世代の未来を共に創っていきたいと思います。

株式会社KDDI 事業創造本部 副本部長 中馬 和彦氏

ライブ配信やライブ視聴が一般化した現在、ミラティブ社はいち早くゲームで繋がる世界へ着手し、新たなコミュニティーの形を提案してきました。

また、配信者ファーストのクリエイターエコノミーの構築に加え、視聴者がゲームの視聴にとどまらず体験までを可能とするライブゲーミングは業界に新たなトレンドをもたらしております。

KDDIは今回の出資を契機に、事業共創を通じてミラティブ社が掲げる「願いをつなぐ世界の実現」のため全力で支援してまいります。

株式会社バンダイナムコエンターテインメント 代表取締役社長 宮河 恭夫氏

スマホ1台で誰でも簡単にゲーム配信ができる、ファンの熱量の高いコミュニティーを構築するミラティブ社のサービスや、赤川さんをはじめとするミラティブ社の活気、先進的なアイデアを生み出す社風に感銘を受けました。

当社は、バンダイナムコグループパーパス「Fun for All into the Future」のもと、世界中のIP(キャラクターなどの知的財産)ファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と深く、広く、複雑につながる存在を目指し、ファンとつながるための新しい仕組みとしてIPごとのメタバースの開発に着手しております。

今後はミラティブ社のみなさまとともに新しい時代のエンターテインメントを世界中にお届けできればと考えております。

株式会社セガ 取締役副社長 Co-COO 内海 州史氏

ミラティブが展開するライブゲーミングは、ゲームコンテンツの楽しさを広げる新しい試みとして、弊社もその可能性に注目しています。今回ミラティブとご一緒させて頂くことになり、セガもミラティブ社より学び、また協力していきたいと考えています。

株式会社ミラティブ 代表取締役 赤川 隼一 氏コメント

世界中で拡大を続ける10年後のゲーム産業やそのユーザーコミュニティを考えた時に、ゲーム実況でユーザーができることが「コメントのみ」という状態は想像しづらいー-そんな風に着想し、ライブゲーミングは「必ず来る未来」と信じて長年R&Dを続けてきました。

このたび、日本を代表する企業の数々からも出資をいただき、2022年が今後さらに盛り上がるライブゲーミングの元年となったと確信しています。

ユーザーが主役となる新しいムーブメントとして、コミュニティを取り巻く環境の整備やクリエイターエコノミーの構築にもあわせて尽力していきます。 分断が進む世の中だからこそ、世にない新しいコミュニケーション体験を通じて、「好きでつながり自分の物語が生まれる居場所」を生み出し、維持しつづけていけるようミラティブはこれからも努力していきます。