Natee、ベネッセホールディングスなどから約4.2億円の資金調達を実施 バーチャル事業進出も

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2022/12/07 10:00

 ショートムービーに特化したクリエイター共創型マーケティング事業を展開するNateeは第三者割当増資と金融機関からの借入により約4.2億円の資金調達を実施。既存投資家のXTech Ventures株式会社、株式会社キュービックベンチャーズに加え、株式会社ベネッセホールディングス、株式会社リヴァンプ、静岡キャピタル株式会社、GMO NIKKO株式会社、複数名の個人投資家を新たな引受先としている。今回のラウンドにより第三者割当増資による累計調達額は4.82億円となった。

 資金は人材採用の強化、新規ビジネスの開発ならびに早期拡大を使途とする予定。リアル・バーチャル双方での個性と才能の発揮を支援し、これからの時代にあった新しい自己実現のありかたを提唱する「人生2.0」をコンセプトに市場拡大を図っていく。また、特設サイトもあわせて公開した。

クリエイターエコノミーカンパニー Nateeのこれまでの歩みと目指す世界

同社は「人類をタレントに!」をミッションに、TikTokをはじめとしたショートムービーに特化したクリエイター共創型マーケティング事業を展開。本事業を通じ、SNSという自己表現の場において、個々人の個性や才能を活かした新たな仕事のありかたを創造してきた。

創業4周年を迎えた2022年11月1日時点で、ショートムービークリエイターへの還元総額は昨年比288%増の5.77億円に達し、さらに月額平均報酬額は36万9,400円(想定年収:442万8,000円)となった。ショートムービークリエイターはいまや、既存の仕事の枠組みに捉われない「個性を活かした職業」として、生活収入源としての立ち位置を得つつあるとの考え。

今後同社は、上述の新たな仕事のかたちの創造に加え、テクノロジーの発展により生まれるであろう人々の新たなライフスタイルにアプローチする事業を展開していく。

新たな事業展開のコンセプトとなる「人生2.0」とバーチャル事業

今後、テクノロジーのさらなる発展により、現実世界だけでなくバーチャル空間上にさまざまなコミュニティや経済圏が形成され、双方の空間で自己表現および経済活動ができるという、過去類を見ないライフスタイルが創出されていくものと考える。同社は、このような新たな生きかたを支援し、人々の人生をアップデートしていきたいという想いを込めて、「人生2.0」というコンセプトを掲げ事業展開を行っていく。

その第一歩として、今回バーチャル領域での新規事業を立ち上げ、現実世界に加えバーチャル上でも人々が個性や才能を発揮できる場を提供していくことを発表。生まれや外見などの先天的な要素を軸に紐づく「リアルな場での自分」だけでなく、個人の後天的な資質(知識、人格等)を軸とした「バーチャルな場での自分」として自己表現ができる新たなコミュニティの形成を通じ、人々の個性や才能がより発揮される世界を目指す。

これからは、これまで展開してきたクリエイター共創型マーケティング事業および本新規事業を通じて、リアルとバーチャルの垣根を超えて人々の人生をアップデートしていく。

採用・開発・新規事業創出に注力

調達資金のおもな使途は、次のとおり。

1.人材の採用

ショートムービー事業におけるアカウントプランナー、クリエイティブディレクター、新規事業におけるリードエンジニアなどの人材を採用し、新たな事業や組織づくりにより一層注力していく。

2. クリエイターデータベース「Edison」の開発

たくさんの人がクリエイターとして活躍する中で、広告・マーケティングの文脈ではその効果が可視化されていないことによる懸念も問題視されてきた。Nateeでは自社独自のクリエイタープラットフォーム「Edison」を開発し、クリエイターのアサインや効果のシミュレーションを限りなくデータ化してきた。今後はPOSデータやGoogle Analyticsなどほかのデータともかけ合わせながら、顧客にとって意味のあるデータ基盤を価値として提供するべく開発を強化していく。

3. 新規事業への投資

新たな個人の自己実現の方法として、バーチャル領域の事業を推進していく。また、株式会社ベネッセホールディングスとクリエイタースクールなどの事業展開も検討している。

新規投資家コメント

株式会社ベネッセホールディングス 財務部 財務戦略課 Benesse Digital Innovation Fund 渡邊謙太朗氏

Natee様は「人類をタレントに。」のビジョンのもと、企業の商品・サービスにあわせてクリエイター1人1人の個性を活かすことでトップクリエイターでなくても、商品やサービスの魅力が伝わるようなプロモーションを実現されています。それによって少数のトップクリエイターだけが牽引する世界から多数のミドルクリエイターも活躍できる世界へと変えていこうとしている事に強く感銘を受け、出資させていただくに至りました。今後さらに拡大していくSNSを活用したデジタルマーケティングについて、弊社内で複雑に絡み合った課題を丁寧に解きほぐしていただきながら、どうしたらより効果がでるか共に考え、寄り添って進めていただいており、資本業務提携を契機により深い関係を築ける事を嬉しく思います。

株式会社リヴァンプ 取締役 執行役員CFO 大山拓也氏

当社は"企業を芯から元気にする"という理念のもと、経営・DX・投資の3つの事業を柱とし、経営支援及び企業投資を行っています。

これまでの経営支援案件において、Natee社と共同でクライアントのデジタルマーケティング支援プロジェクトに従事してきました。クライアントのマーケティングROIの向上に大きく貢献し、満足度も非常に高く、今後も当社の経営支援案件におけるマーケティング施策の打ち手の一つとして積極的に連携していきたいと思います。

インフルエンサーマーケティングに独自の強みを持ち、成長が期待されるNatee社とリヴァンプグループ一丸となって共に伴走し、成長していきたいと考えています。

静岡キャピタル株式会社 ディレクター 園田直氏

人それぞれの個性や才能、創造性が発揮されることで、次々と新たな文化が生まれていくのを目の当たりにしており、市場の高い成長性を実感しています。また、今後は地方においても観光送客のみならず、様々な業態でクリエイターの活躍の場が生まれていくと思います。Nateeの皆さんにはクリエイターの方々と共に新たな価値や市場を作っていってほしいと願います。静岡キャピタルも最大限サポートさせていただきます!

GMO NIKKO株式会社 代表取締役社長 佐久間勇氏

これからのNatee社の成長、そして一緒に取り組めることを考えて、今からワクワクしています。私たちがNatee社への出資及び業務提携した背景は3点あります。

1つ目は、小島代表をはじめ経営陣の高い志と熱量です。2つ目は、メディアだけでなくテクノロジーに精通、駆使していることです。3つ目は、Natee社と私たちが連携し、様々な価値を世の中に発信できることです。

今後、Natee社のショート動画専門ノウハウと、私たちのマーケティング総合力を組み合わせ、新たなサービス開発に取り組みます。

既存投資家コメント

XTech Ventures株式会社 代表パートナー 西條晋一氏

前回投資から約2年、Nateeは飛躍的な成長を遂げています。今後の組織体制の拡充や新しい取り組みに向けて追加投資をさせていただきました。動画配信プラットフォーム上でのクリエイターの活動は日々進化しており、クリエイターと共創したマーケティング手法も刻々と手法が変化しております。Nateeはこうした市場の変化を先取りし、引き続き新しい市場を切り開いていってくれると信じています。

株式会社キュービックベンチャーズ CEO 世一英仁氏

優秀な人材を集めて束ね、事業もしっかりと成長させてこられたNateeさんが、更なる成長のために改めて資金調達に動かれると伺って驚いたと共に、構想を聞いてとてもワクワクしました。既存事業も伸び代十分な中、新規事業にもチャレンジするということで、経営の難易度は高まるばかりと思いますが、間近でこれからのNateeさんを見られることを楽しみにしております。

株式会社Natee 代表取締役 小島領剣氏コメント

今回の資金調達は、全て今までお取引があった企業様、もしくは個人の方から出資いただいております。その点では、我々の事業だけでなく、日々の仕事を認めていただいた結果だと受け止めており、非常に身が引き締まる思いです。

これからも「人類をタレントに」というミッションを追いかけ、Great Companyと言われる水準にまで会社を継続的に成長させ続けて参ります。