博報堂はユーキャンと共同で、リスキリングプラットフォームの構築を軸に新たな人材事業を展開する新会社「HUG」を2023年5月に設立し、7月3日から事業を開始した。
なお、本件は「Hakuhodo JV Studio」のジョイントベンチャー案件として推進している。
近年、日本社会は急速なテクノロジーの進化、人口の少子高齢化、そして労働市場の構造変化に直面している。政府による骨太の方針でも労働市場改革が柱として掲げられ、経済産業省では「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」による体制整備を開始するなど、生活者のキャリアプランにも影響を与える動きが進んでいる。
そのような社会背景のなか、博報堂が広告会社として培ってきた「コミュニケーションで生活者を動かす力」と、ユーキャンが通信教育事業を通じて培ってきた「生涯学習を支援する力」を融合させて、リスキリングHR事業に参入し、これからの生活者のキャリアデザインを支援する新しいリスキリングプラットフォームの構築に挑戦するとしている。
HUGではハードスキル、ソフトスキルの両面を人間力として育むことを「リスキリング」と定義しプラットフォーム『HUG リスキリング』を構築し、多様な生活者に人材育成・能力開発を実践。そして企業ニーズが強い一方で人材供給が追いついていない分野へ、HUG リスキリングを通じて育成した人材供給を推進し、将来的には外部の人材企業へリスキリングノウハウやリスキリング人材を提供することも目指す。
なお、事業の垂直的立ち上げを実現するために、HR関連スタートアップ企業であるRoadの株式を100%取得し、子会社化。Roadはグループインにともない社名をRUHに変更した。同社は人材の「モチベーションエンゲージメント」に強みを持ち、自社で従業員向けにエンジニア領域のリスキリングシステムを開発するなど、同事業との高い親和性がある。博報堂、ユーキャン、RUHの3社のノウハウを投入することで、実務的なスキル提供から就労支援までを一気通貫で手掛け、「学ぶ」と「働く」がつながる新しいキャリアデザインの創造を目指す。
HUGは、この新しい挑戦を通じて生活者1人ひとりの人間力を育み、日本の労働市場に新たな価値を提供することで、社会全体の成長に寄与していく。