デジタルプラットフォーム事業を展開するABEJAは、PwCコンサルティングと、生成AIをはじめとした最新テクノロジーを活用した企業のDX推進支援に関する協業を開始した。
今後両社は連携し、生成AIなどの活用を前提とした戦略立案、ビジネスプロセスの構築、オペレーションの運用など、企業のDX推進における一連のプロセスをワンストップで提供していく。
ABEJAは、「ABEJA Platform」を基盤に顧客企業の基幹業務のプロセスを変革し、ビジネスの継続的な収益成長の実現に伴走する「デジタルプラットフォーム事業」を展開している。2012年の創業時よりABEJA Platformの研究開発を進めており、これまで多種多様な業界・業態のDXをABEJA Platform上で実現してきた。同社は、2018年より生成AIのひとつである大規模言語モデル(以下、LLM)における研究開発を進めており、2023年3月に「ABEJA LLM Series」をABEJA Platformに搭載し、7月以降は利用にあたっての戦略策定やビジネスプロセスの構築など、その周辺領域のサポートも含めて顧客企業に提供している。現在、生成AI技術の台頭により、デジタル版EMSである「ABEJA Platform」のニーズはより多様化しており、その適用領域は順調に拡大している。
PwCコンサルティングは、昨今の生成AIの活用を検討する企業が増加していることを受け、PwC Japanグループのほかのメンバーファームとともに生成AIの専門タスクフォースを組み、2023年4月から、多くの顧客企業に生成AIコンサルティングサービスを提供。より多様化する企業のニーズに応えるため、従来の取り組みに加え、多様なパートナーと連携し、互いの強みを組み合わせてより多面的かつ実践的な支援の提供を推進している。
今回両社は、PwCコンサルティングのAI領域や豊富な業界の知見とビジネス構築力、ABEJAの10年以上にわたりAIの領域でビジネスを展開してきたノウハウとデジタルビジネスの立ち上げやDX推進支援の実績を、協業により相互活用することで、より多くの企業を対象に生成AIの利活用の早期実現を推進できると考え、同協業に合意した。
PwCコンサルティングは、生成AIのような進化のスピードが速い先端技術を取り入れるにあたり、緻密な計画を立てた後で実装する手法よりも、実際に実装させながら調整していくアジャイル手法を求める声に応えるため、とくにABEJA Platformに搭載されている人とAIが協調する「Human in the Loop」の仕組みに期待している。
また、ABEJAは、生成AI分野におけるLLMである「ABEJA LLM Series」に加え、昨今の画像生成AI関連技術を台頭する「Stable Diffusion」など今後のデジタルクリエイティブに新たな可能性を与える画像生成AIの活用が、ビジネスにおける生成AIのありかたをより実用的なフェーズに進めると考えており、画像生成AIの最新技術においても積極的にABEJA Platformに搭載することを視野に入れている。
今後、両社は連携し、顧客企業に対する共同提案の実施や、最新テクノロジーの専門性を活かしたアドバイザリー、実装フェーズの強化を図り、企業における生成AIの導入および実活用の推進、また新たなビジネスの創出や企業の競争力と価値の向上の創出に貢献していくと。
協業内容
今後ABEJAは、PwCコンサルティングと協業し、顧客企業に対し、次の「生成AI未来創造戦略立案・実装」「生成AIガバナンスデザイン・マネジメント」のふたつの領域でサービスを提供。同サービス提供において、ABEJAは具体的に、AIをはじめとした最新テクノロジーの専門性を活用したアドバイザリーおよび技術実装を担うとしている。
生成AI未来創造戦略立案・実装
- 社会や経済、技術動向などを踏まえ、生成AIが実装された望ましい未来の業務からバックキャスト思考で戦略を立案。
- 既存業務において即座にプロトタイプ(試作品)を作り、その活用と効果検証、改善のプロセスをスピーディーに回しながら会社全体へと実装をスケールさせていく。
- 両社と企業の三者が一体となったマネジメントオフィスを組成し、生成AIの実装・現場定着を推進。これにより、業務改革と並行して企業のAI人材育成も可能となる。
生成AIガバナンスデザイン・マネジメント
- 実装プロダクトとその利用実態に即したガバナンスポリシーを策定。安心して積極活用をするための「攻めのガバナンス」を実現し、企業における生成AI活用ならびにそれによる業務効率化や新規ビジネスの創出を促進する。
- 生成AIの利用状況やガバナンス遵守をモニタリングして、現場教育へのフィードバックや生成AIへの学習にも活用できる仕組み作りを行う。