DNPメディア・アート(以下、DMA)は、エイベックス・クリエイター・エージェンシー(以下、ACA)と連携し、企業に向けた現代アートのサブスクリプション(定期・継続型)サービス「CONTEMPORARY(コンテンポラリー)」の提供を開始した。
現代アートのサブスクリプションサービス開始の背景
社会や暮らしの変化が加速し、将来の予測が難しい不確実な時代と言われるなかで、ビジネスや社会活動におけるアートやアーティストの重要性が高まっている。たとえば、企業がアートをオフィスに取り入れることは、社員に対するアートを通じた社風の表現や、既成概念にとらわれずに価値を生み出す「アート思考」の促進に加えて、働く環境や組織風土、社員のエンゲージメントの向上につながりる。しかし、企業がアート作品を独自に選んで定期的に購入することは、適切な購入ルートや作家の選定などのノウハウが必要なため非常に困難。一方、とくに若手のアーティストなどがアート領域での活動を持続的に行うため、十分な資金調達等が可能な新しいビジネスモデルが求められていた。
こうした企業側とアーティスト側の双方の課題の解決に向けて、DMAとACAは今回、企業に向けて現代アートを定期的に提供するサービス「CONTEMPORARY」を展開する。
現代アートのサブスクリプションサービスのポイント
- 「CONTEMPORARY」は、アートプロジェクト「MEET YOUR ART」が企画し、DMAが「DNP高精彩出力技術 プリモアート」で制作する現代アーティストの「版画/高精彩複製画」(A0サイズ:841mm×1189mm)を、1年に3回提供する企業向けサブスクリプションサービス。企業は同サービスを通じて、オフィスなどに最新のアートを設置し、社員や顧客にアート体験を提供する。
- 1億画素のカメラの活用や職人の技術により、原画の色調や筆致などの質感を限りなく忠実に再現した高品質な版画を提供。また、原画とは違って保管責任を問われることがないため、比較的低いリスクでアートを保有することができる。
- サービス利用料金の一部(各作品の制作費の50%)を参加アーティストに還元し、若手を中心としたアーティストの支援につなげる。
- サービスを利用する企業に対し、ウェブサイトなどに掲載できる公式のパートナーバナーの素材を提供。企業はこのバナーの掲載によって、アートの活用やアーティストの支援を行っていることを対外的にアピールし、企業ブランディングの向上に活用することができる。
今後DNPグループはACAと協業し、これらの取り組みを通じて現代アート作品の版画の普及に努めるとともに、生活者や企業への価値の提供とアーティストへの収益還元を循環させるエコシステムの構築を目指す。