大日本印刷(以下、DNP)とグループ会社のDNPアートコミュニケーションズは、GMOペパボ日比谷花壇と連携し、おもに個人クリエイターに向けて、アート作品の画像データのライセンス(利用許諾)提供サービス「イメージアーカイブ・ラボ」を開始した。同サービスは、2022年5月より実証実験を進めていたもので、有償の画像ライセンス+証明書販売の需要が確認できたため、正式なサービスとして提供を開始した。
なお、「イメージアーカイブ・ラボ」での提供画像は、これまでフランス国立美術館連合(RMN -Grand Palais)に所属する美術館の所蔵品・名画が対象だったが、今回の正式リリースにともない、日比谷花壇のフラワーグラフィックと林原美術館の所蔵する東洋古美術品が加わった。画像ライセンスを購入したクリエイターは、さらに多彩な作品を素材とした創作活動が可能となる。
イメージアーカイブ・ラボとは
DNPとDNPアートコミュニケーションズが提供する、多様なアート画像の提供を通じてクリエイターの創作活動を支援するアート画像ライセンス提供サービス。画像ライセンスを購入したクリエイターにはブロックチェーン技術を活用し証明書を発行するため、画像データを素材とした新しい作品を安心して創作・販売することができる。
アート画像ライセンス提供サービスの開始の背景
クリエイターを中心とした経済圏(クリエイターエコノミー)の2022年の国内市場規模は約1兆6,552億円と2021年の約1兆3,574億円から21.9%増加しており、今後も成長が見込まれている。なかでも、個人クリエイターが第三者の著作物を素材として新しいコンテンツを創作(二次創作)し、さらに別の個人クリエイターが二次創作物を素材に別のコンテンツを創作する循環(n次創作)は、コンテンツ市場の拡大に大きく寄与すると考えられている。一方で、著作物等の権利許諾を得るには煩雑な手続きが必要で、取引コストも大きく、個人クリエイターが「二次/n次創作物」を公開・販売する際の障害となっており、これによる機会損失は潜在市場で1兆4千億円と推定されている。
こうした課題の解決に向けてDNPグループは、おもに法人向けに展開してきたアート画像の利用許諾サービス「イメージアーカイブ」の対象を個人クリエイターに拡大し、安心して「二次/n次創作」を行える環境を整備する実証実験行ってきた。その結果、画像ライセンスと証明書の有償販売の需要が確認できたため、今回、正式なサービスとして提供を開始することとした。
同サービスの特徴は、次のとおり。
個人クリエイターを中心とした画像ライセンスの提供
GMOペパボが運営するハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)byGMOペパボ」と連携することで、minneの作家・ブランドは、購入した画像ライセンスを活用して作品を創作し、「minne byGMOペパボ」で販売することが可能に。minne作家・ブランドに対する利用許諾費用は、ハンドメイド作品の販売価格に応じて設定される。現時点での「イメージアーカイブ・ラボ」が提供するアート画像を使用した作品販売は「minne byGMOペパボ」のみで可能となる。
ブロックチェーン技術で安心してアート画像が使える
minne作家・ブランドが創作した作品を「minne byGMOペパボ」に出品する際に、ブロックチェーン技術によるデジタル証明書サービス「A trust(エートラスト)」を利用して証明書にリンクすることで、正規に画像データの利用許諾を受けていることを証明可能。
画像ライセンス提供プラットフォームにDNPの「Imaging Mall(イメージングモール)」を採用
今回、DNPフォトイメージングジャパンが提供する法人向けクラウド型画像販売ソリューション「Imaging Mall」を活用し、「イメージアーカイブ・ラボ」の画像ダウンロードと同時にブロックチェーン証明書を発行する仕組みを新たに開発することで、画像の貸出サービスを行う。
日比谷花壇 フラワーグラフィックサービス「花屋さんのお花柄」との連携
日比谷花壇の長年のノウハウをもとに、企画やコンセプトメイキング、販売などの総合的なプロデュースを手掛けるフラワーグラフィックサービス「花屋さんのお花柄」が、今回の正式サービスリリースにともない提供画像に追加。数多くの高品質のフラワーフォトストックから選べる画像はもとより、企業や商品のイメージに叶う、オリジナルフラワーデザインの監修、商品化まで、それぞれのニーズに応じたサービスを展開している。