大日本印刷株式会社(DNP)は、人と人のつながりや地域資源の活用によって、健康の増進や、QOLおよびウェルビーイング(幸福)の向上を目指す「社会的処方(social prescribing)」の事業化に向けて、東京藝術大学を中心とした41機関による産学官の共創プロジェクト「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点(ART共創拠点)」に参画している。今回、同プロジェクトの一環で、DNPコンテンツインタラクティブシステム「みどころシリーズ」を活用したアート体験イベントを2024年11月27日〜12月3日に実施した。
「ART共創拠点」プロジェクトとDNPの取り組みについて
- 2030年には国民の3人に1人が65歳以上となる超高齢社会における、望まない孤独や社会的孤立の解決策として、ART共創拠点では社会的処方を援用した「文化的処方」を提案している。東京藝術大学を中核として、アート・福祉・医療、テクノロジー等の専門機関や企業、自治体を含む41機関が、社会課題解決のための知識や技術を持ち寄り、「文化的処方」を開発し、地域社会に実装することで、誰もが生涯を通じて社会参加でき、幸福で健康的な生活を送り続けることのできる社会の共創を目指している。
- 今回、「ART共創拠点」が開催する「芸術未来研究場展2024」と「浦安藝大プロジェクト展」にて、DNPが開発した「みどころシリーズ」を活用し、「文化的処方」の開発に向けた探索的な試みとして、アート体験イベントを行った。
- 「みどころシリーズ」は、文化財・アート作品をデジタルデータ化し、作品の「みどころ」をはじめとする多様な知的情報と組み合わせて、鑑賞者に作品への興味・関心のきっかけを提供することを目的としている。
- 「芸術未来研究場展2024」での東京藝術大学「I LOVE YOU」プロジェクトでは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用したMR(Mixed Reality)の鑑賞体験「みどころキューブMR型」を活用して、当プロジェクトで公開した28の取り組みを紹介した。
- 「浦安藝大プロジェクト展」の護岸アーカイブプロジェクトでは、浦安市の埋立護岸やその周辺景色のデジタルアーカイブ化を行った。HMDを装着し、VR空間を歩く体験ができる「みどころウォーク」を活用して、これらの景色を見ながら、護岸の上を歩ける体験会を実施した。
アート体験イベントの概要
芸術未来研究場展2024
東京藝術大学「I LOVE YOU」プロジェクトでは、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用したMR鑑賞体験「みどころキューブMR型」を活用し、同プロジェクトで公開した28の取り組みを紹介した。
浦安藝大プロジェクト展
護岸アーカイブプロジェクトでは、浦安市の埋立護岸とその周辺景色をデジタルアーカイブ化し、VR空間を歩ける体験ができる「みどころウォーク」を実施。参加者はHMDを装着して護岸上を歩く感覚を体験した。