NTT QONOQ(以下、コノキュー)は、ENEN、Forgersと、XR技術を活用した家具の新たな購買体験実現をめざすための実証実験を実施する。

1.背景
ENEN(エネン)は、ブランドビジョン「気軽に家具を楽しむライフスタイルを創造する」のもと、生活や空間、好みが変わっても、豊富な素材と形状からライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズができるモジュラー家具を展開するD2C家具ブランド。また、オンラインストアだけでなく、ENENの家具を実際に見て触れて楽しんで欲しいという想いから2023年5月「自由が丘店」、2024年7月「大阪店」をオープン。家具だけでなく、豊富なジャンルの雑貨も取り揃え、家具選びが楽しくなる体験コンテンツを数多く用意している。
ENENを代表するモジュラー家具「KUUM(クーム)」は、素材、カラー、サイズなど、多彩なバリエーションを展開し、その組み合わせパターン数は、何百通りにものぼる。しかし、さまざまな選択肢がある一方で、店舗における展示スペースには限界があるため、全商品の展示が実現できていないという課題がある。
今回、NTTコノキューデバイスが開発・コノキューが販売するXRグラス「MiRZA」とForgersの3D・XRプラットフォーム「RITTAI」を連携し、XRグラスによる商品のAR体験を可能にした。
この機能を活用し、店舗に商品実物の展示や在庫が無いカラーの確認や各種商品情報を、XRグラスを通して体感する実証実験をENEN自由が丘店とENEN大阪店で行う。
2.本実証の概要
来店した顧客にMiRZAをかけてARコンテンツを体験してもらうことで、商品の3DモデルならびにXRグラス活用による、店舗での購買体験の新たな可能性を検証する。
本実証にあたっては、店頭の商品展示の近くに二次元コードを設置し、それをMiRZAのカメラで読み取ることで該当商品の3Dモデルや商品情報を表示するアプリケーションを構築した。今回のARアプリケーションおよび商品のデータ管理システムは、Forgersが、3D/XRのクラウドプラットフォーム「RITTAI」をベースに実装し、提供した。
MiRZAの特徴として、軽量のメガネ型デザインであるためグラスをかけたまま歩けることから、店内での回遊を妨げることなくXRグラスによる商品体験をご案内することが可能になった。
MiRZA体験中の商品情報の閲覧回数などの分析に加え、体験した顧客にはアンケートを実施し、商品や店舗体験に対する印象や購買意欲がどのように変化したかなどを検証する予定。 アンケートに協力した顧客には、ENENより商品を特別価格で購入できるクーポンを進呈する。

本実証で体験可能な家具ARコンテンツ
家具の3Dモデル表示に加え、ハンドジェスチャーによる操作で、カラーの変更や商品説明動画の視聴なども可能。


3.各社の役割
- コノキュー:企画検討・プロジェクト管理、「MiRZA」の提供
- Forgers:「RITTAI」の提供、MiRZAアプリケーション開発
- ENEN:集客、店頭への案内設置、店頭スタッフによる接客・体験の案内
4.今後の展開
今後は本実証で用いたアプリケーションに加え、さらにインタラクティブな商品情報の提供やパーソナライズされた店内ナビゲーションの表示など、店内での回遊・体験価値を高めるコンテンツを提供していくことで、デジタル技術・XR技術を活用した接客の実現をめざすとともに、店舗での購買体験のさらなる向上に貢献する。