NEC、Roblox上の広告効果を計測するツールのプロトタイプを開発

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2025/05/22 07:30

 NECは、メタバースゲーミングプラットフォーム「Roblox」上の広告効果を計測するツールのプロトタイプを開発した。本計測ツールは、ユーザーに広告が表示されたかどうかだけでなく、ユーザーにどのように見られたか、エンゲージしたかどうかを計測し可視化することで、メディア企業はメタバース空間の価値を高めることができる。またこれにより、広告主は広告クリエイティブや広告の設置位置の改善ができるようになり、メタバース空間上でも従来のウェブ広告のような運用が可能になる。

 この計測ツールを用いて、NECはBrave groupと共同で2025年5月からRobloxプラットフォーム内のゲーム「だるまゲーム」で実証実験を行う。

広告体験の変化とメタバース広告の可能性

 メタバースの普及により、メタバース空間内の広告が新たな広告の形として注目されている。従来のWeb広告と違い、メタバース空間内で自由に配置可能なため、没入感の高い体験を提供する。また、飛び出す3D広告やユーザー属性、アクションに連動したインタラクティブな広告など、カスタマイズ性に富んだ広告が制作できる。さらに、メタバース広告は場所や時間、コストの制約がなく、広告主に柔軟かつ効率的な環境を提供する。

 メタバースは、広告主にとって新たなマーケティングの可能性を、ユーザーにとってはこれまでにない広告体験をもたらす注目の分野となっている。

計測ツールが提供するデータについて

 メタバース広告への期待が高まる一方で、Web広告のような詳細な広告効果測定が難しいという課題があった。計測ツールを使用することで、従来のメタバース広告では見えなかったユーザーの広告に対する関心の有無、関心の度合いを可視化できるようになる。

おもな取得可能データ

  • メタバース空間内のユーザー数
  • 広告のインプレッション数(画面に表示された数)
  • 広告の視界内滞在時間

 NECは今回の実証実験を通して、広告主には効果のある広告手法を、メディアには広告収益を、ユーザーには価値のある広告を提供することを目指す。また、実証実験に参加する人々とともに、デジタル広告の未来を切り開き、メタバース広告の可能性を探求していく。

 NECの新規事業開発は、「仕掛けよう、未来。」をキーメッセージに、スタートアップやパートナー企業との多彩な共創を通じた「NEC Open Innovation」を推進している。革新的な技術と領域を超えた連携により、これからも社会価値を生み出し、新しい未来を創造していく。