生成AI時代のデザイナー業務調査、6割以上がキャリアに前向きな影響と認識/ISCA TOKYO調査

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2025/10/09 05:00

 芙蓉エデュケーションズが運営する「ISCA TOKYO」は、デザイン業務で生成AIを利用するデザイナーを対象に「生成AI時代のデザイン業務に関する調査」を実施し、結果を発表した。

主な生成AIの活用目的は「アイデア出しのため」や「作業効率化・生産性向上のため」

 調査によると、生成AIを活用するデザイナーの主な目的は、「アイデア出し」67.9%、「作業効率化・生産性向上」66.9%が上位となった。これにより、クリエイター業務において生成AIは主に発想補助や効率化の手段として用いられている現状が示された。

生成AIの活用で上流工程の業務に割く時間の割合が少なからず減少

 一方、回答者の45%以上は、生成AI活用後、コンセプト設計など上流工程に割く時間が「やや減少した」または「大幅に減少した」と感じており、上流での業務時間減少が一定数見受けられた。また、総労働時間については、3割強のデザイナーが「減少した」と回答し、業務効率化による余力の発生も明らかとなった。

6割以上が生成AIの普及がキャリアに「ポジティブな影響を与える」と考えている

 生成AIの普及によるキャリアへの影響については、「ポジティブな影響の方が大きい」と捉える声が62.0%となり、6割以上が前向きな認識を持つ一方、「ネガティブな影響」や「わからない」とする意見も各19.0%と、一定の不安もうかがえる結果となった。

生成AIの普及によるキャリアの脅威は「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」

 さらに、生成AI時代において脅威となるものとして「オリジナリティの喪失・デザインの同質化」を48.5%のデザイナーが挙げ、独自性の低下への懸念が突出している。他にも「仕事の代替・需要減少」や「スキルの陳腐化」などが一定数の意見を占めた。

今後より重要になるスキルは主に「AI活用能力」や「創造力・発想力」

 今後求められるスキルについては、「AI活用能力」「創造力・発想力」がいずれも54.1%でもっとも多く、次いで「ディレクション能力」51.2%となった。生成AIの普及にともない、単なる作業実行だけでなく、ツール利用の技術や自発的発想力、指示・統括など多様な役割が重要性を増している現状が読み取れる。

調査概要
  • 調査期間:2025年9月16日~9月22日
  • 調査対象:デザイン業務で生成AIを利用するデザイナー(20代~50代の男女)
  • 調査人数:305名
  • 調査方法:インターネット調査
  • モニター提供元:RCリサーチデータ