デザイナー向け「J55フルカラー3Dプリンタ」 デザインから3Dプリンティングのワークフローを簡素化

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2020/05/14 07:00

 Stratasys Ltd.(ストラタシス)は、デザイナーやチームによる迅速なフルカラー・デザイン・リアリズムをあらゆる場所で可能にする新製品J55 3Dプリンタを発表した。約50万色再現可能、PANTONEカラーにも対応しており、リアルなテクスチャーと透明度を1個の造形物で実現する高い忠実度と5種類の同時プリント材料などを提供し、リアリズムと優れた生産性を実現する。セットアップが容易で、リモート・モニタリングが可能なことから、自宅からもプリンティング作業を管理できる。

 同製品の主な特徴は、次のとおり。

回転造形プラットフォーム採用 メンテナンスを簡素化

 同製品は、固定プリント・ヘッドを備えた特許取得済み回転造形プラットフォームを採用。これにより、信頼性の最大化とメンテナンスの簡素化を実現している。また、この技術は小フットプリントでの大型造形を可能にすると同時に、音を家庭用冷蔵庫と同レベルに抑えており、音の問題をほぼ解消する。空気清浄機ProAeroとの組み合わせにより、臭気のないオペレーションを実現し、どんな場所にも配置が可能となっている。

KeyShotとSOLIDWORKSによる簡素化された3MFワークフロー

 デザイナーによる同製品の使用を容易にするため、ワークフローの簡素化にも取り組む。同製品はGrabCAD Printソフトウェアをサポートしており、一般的なCADファイル(SOLIDWORKS、CATIA、PTC Creo、Siemens NX、Inventorなどのファイル形式)のほか、従来のSTL、OBJ、VRMLファイルに対し大幅に進化した最新3MFファイル・フォーマットのスムーズなインポートを可能にする。さらに、同社はLuxion Inc.のKeyShot 3Dレンダリング・ソフトウェアによる3MFカラー・ワークフロー向けサポートを追加。2020年後半にリリースを予定している。

 同製品は小型ながら、エンタープライズ・ショップ向けJ8シリーズと同等の機能を持つ補完機種。同日内の造形ジョブ設定までを含む全デザイン・プロセスと最小限の後工程を実現する。最終製品の形、材料、色、仕上げにマッチした造形により、J8シリーズ3Dプリンタと同一の解像度やディテールを提供する。

高性能PolyJet材料を活用 世界共通カラーを提供、現実的な意思決定を可能に

 同製品は、デザイナーにフルCMF(Color=カラー、Material=材料、Finish=仕上げ)機能を提供。フルレンジのテクスチャー、VeroClear(VeroUltraClearは2020年後半に提供)の透明度、X-Riteベースのカラー・プロファイル、PANTONE対応カラーなどの高性能PolyJet材料を活用しており、デザイン・プロセスの各ステージにわたって信頼性が高く、現実的な意思決定を可能にする世界共通のカラーを提供する。

 同製品は1,174平方センチメートルの最大造形サイズを特徴としており、床占有面積は0.43平方メートル。5種類の材料(さらにサポート材)に対応できることから、オペレーターはもっとも頻繁に使用する樹脂データをロードでき、材料交換にともなうダウンタイムの回避も可能になる。

 なお、同製品は2020年7月に出荷を開始する予定。現在は注文を受け付けている。