[後編]ユーザーファーストの根底にあるのは受講生との関わり 今後Lovegraphアカデミーが目指すものとは

[後編]ユーザーファーストの根底にあるのは受講生との関わり 今後Lovegraphアカデミーが目指すものとは
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2021/08/30 08:00

 2021年5月、ラブグラフが運営する写真教室「Lovegraphアカデミー」がリニューアル開校した。Lovegraphアカデミーとは、プロフォトグラファー監修の150本を超える学習動画やメンターによる細やかなサポートを提供しているオンライン写真教室だが、コロナ禍の影響をうけ、昨年には撤退の二文字もちらついていた。だがそんななかでもLovegraphアカデミーは、2020年5月に月額制のサービス開始という大きなチャレンジを行い、その1年後さらに大幅なリニューアルを敢行。その結果、現在の会員数は累計で700名を超え、売上は昨対比で7倍に増加した。事業を飛躍的に成長させたリニューアルプロジェクトであるが、それを主導したのは、当時25歳以下の若手メンバーたち。その裏側を探るべく話を聞いたのは、事業責任者の荒田駿介さん、プロダクトマネージャー(PM)の豊田正宗さん、デザイナーの小林桜々さん、プロダクトオペレーションの鳩山裕子さんに話を聞いた。後編では、Lovegraphアカデミー急成長の背景や今後の展望についてお届けする。

事業の成長にもつながる“ユーザーファースト”な視点

――前編に引き続き、今回のLovegraphアカデミーリニューアルプロジェクトでこだわった点をお聞かせいただけますか?

豊田 こだわりはとてもたくさんあるのですが、これはもう「ユーザーファースト」に尽きます。そのためにはユーザーさんのことを知ることが不可欠ですし、ユーザーインタビューを通してユーザーさんを理解することひとつの方法。僕も昨年の冬ごろに20人弱のユーザーさんにインタビューを行いました。

ただ僕にとっては、Lovegraphアカデミーの学長としてユーザーさんとZoomをつなぎながら話したり、一緒に写真の編集を行うといった日常的なコミュニケーションが、よりユーザーさんを理解することにつながっていると感じています。そういった普段のやりとりの積み重ねによって、サービスに対してどのような要望を持っているかをイメージすることができた。

そのうえでリニューアルするとなったときに、ビジネスとして成長させるにはなるべくシステムで済ませたほうが利益率は高いとか、こうしたらもっと利益を出せるといった知見もありましたし、もちろんそれも大切な視点ではあります。

ですがビジネス面を追い求めすぎることで、サービスの価値が損なわれてしまったら意味がありません。もともと僕らのサービスによってユーザーさんを幸せにしたいという思いでやっているのに、それと真逆のことをやっては元も子もない。そのバランスをどのようにとっていくかは、ここにいるメンバーだけでなく、ほかのメンバーや社長とも話し合いながら進めました。

最終的にたどり着いたのは、なによりユーザーファーストを大切にすることで、ユーザーさんにも好きになってもらうことができるし、それがクチコミで広がることが、事業としての成長にもつながるのではないかということ。今後サービスを追加したり、再リニューアルをするとなったときにも、そこだけはブラさなようにしていきたいです。

 

――皆さんに共通しているのが「ユーザーファースト」の視点だと感じたのですが、それは自然と醸成されたものなのでしょうか。それとも、強く意識している部分ですか?

荒田 プロを目指してカメラを勉強するという過程を、メンバーが味わっているのはとても大きいと感じています。実際にLovegraphアカデミーの受講生だったメンバーもいますし、僕自身も発足時に講師として教えていた経験があるので、受講生がどんなテンションなのか、どの部分でつまずきやすいのかを想像することができる。そのため、このサービスをリリースしたときに受講生がどのような反応をするのか、どんな教材があると学びやすいのかなどはイメージしやすかったですね。

鳩山 私はカメラを学ぼうと思った最初の1年間は、本を買ったり、記事を調べたりしながら独学をしていたのですが、まったく上手くならなくて。その状況を打開できたらという思いで写真教室を探し、たまたま見つけたのがLovegraphアカデミーだったんです。

また私がInstagramの窓口を担当していることもあり、写真教室に入っていない人たちが抱えている不安や悩みが日々DMで届きます。過去に独学で苦しんだり悩んだりした経験があったり、勉強したい人たちの生の声を聞いているからこそ、それらをしっかりサービスに反映させたい。そんな私たちそれぞれの実体験が原動力となり、ユーザーファーストな考えかたへとつながっているのかもしれません。

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