市場背景とTikTokの狙いとは
イベント冒頭には、Global Business Solutions、Presidentのブレイク・シャンデル(Black Chandlee)氏が登壇。開幕の挨拶として、次のように語った。
「私たちは新しいカルチャー的な表現やブランド、アーティストの出発点になりました。TikTokは何百万人ものクリエイターたちの拠りどころであり、 彼らは毎日このプラットフォームで自分自身を表現しています。 彼らは斬新で、インパクトがあり、楽しい、まったくこれまでになかったコミュニケーションスタイルを生み、 カルチャーに影響与える大きなコミュニティを形成しています。彼らはさまざまなアイディアを歓迎し、それらと積極的に関わり、結果的に私たちがコミュニケーションを図る手法まで形づくっています。
私たちはユーザーの声に耳を傾け、学び、このコミュニティの形成をサポートしてきました。 そして、カルチャーの変化が起こっているのを目の当たりにし、驚いています」
ブレイク氏は続けて、TikTokが2020年に世界最多のダウンロードを記録したアプリとなったことを紹介。2021年夏に開催された東京オリンピックでも、選手が母国の家族や友人とコミュニケーションを図るために使われたことを挙げ、「“人間味のあるソーシャルプラットフォーム”として大会の最前線で革新的な役割を果たした」と胸を張った。
「アメリカでは、1700万人が開会式を視聴しました。大きな数字ではありますが、2016年より36%も減少しました。しかし同じタイミングで、 アメリカの体操選手であるスニーサ・リーさんのひとつのTikTok投稿が2,900万回の再生回数を記録していました」
さらに、さまざまな規模のブランドがTikTokに登場していることを挙げたブレイク氏。ブランドのコミュニケーションが消費者に対する一方的なものから、共創できるものへと変化してきたことを受け、TikTokもこうしたトレンドを促進するために注力してきたことを語った。
今回同社が発表するソリューションは、「こうした背景をもとにさまざまなブランドがどんなユーザー層ともエンゲージできるよう設計されている」と強調した。
具体的に、同社が想定しているエコシステムは、具体的にワンクリックで消費者が購入まで辿り着けるよう、認知から購買までのファネルを短縮するように設計されたとのこと。市場でも「#TikTik Made Me Buy it」というハッシュタグのトレンドが起きていたことがあり「ユーザーからの需要もある機能」だとTikTokは認識しているという。
「(TikTokは)ブランドがかつて活用できなかった方法でメッセージを伝えることを可能にするツールを構築。ブランドや企業が簡単にプラットフォームに参入できるようにしています。メディアの購入からパフォーマンスの測定、プラットフォームを成長させる方法まで、すべてブランドにとって安全な環境下で支援いたします」
TikTokの強みは「コミュニティ感のあるエンターテインメント」
続いて、Head of Global Marketingのニック・トラン(Nick Tran)氏が登壇。同サービスにおける「コミュニティ」の重要性について次のように語った。
「過去1年間で、私たちのプラットフォームが、人々のコンテンツの視聴スタイルや、周囲の世界とのつながりかたをどのように変えているのかを見てきました。
エンターテインメントは人によって意味が異なりますが、ほかの場所にはない、価値のある『コミュニティ感』を求めて、人々はTikTokに集まってきます。EURO 2020とのパートナーシップからエド・シーランのようなアーティストの私生活まで、カルチャーやブランド、そして周囲の世界を多様なコミュニティと結びつけることを通して、人々にとっての娯楽のありかたを変えています」
ニック氏はTikTokのコンテンツについて、ユーザーのためにあることが特徴であると説明し、「ありのまま」を表現できることが魅力だと説明。加えて、企業などのパートナーに関しては、TikTokが「すべてのタッチポイントにおいて、没入感のある豊かなストーリーを伝えることを可能にするユニークなソリューションを提供している」ことを強調した。
イベント内で再生された動画では、「ユーザーの44%が『おもしろみのあるブランドコンテンツを見たい』と考えており、TikTokでブランドは広告を打つだけでなく、ユーザーに娯楽も提供している」と語った。さらに「動画広告はテレビ広告より23%も印象に残りやすく、TopView広告はテレビ広告よりも40%多く成果を出している」ことも補足された。