若手エンジニアが解説!「CL」が高品質なプロダクトをつくるために取り組んでいる独自の施策とは

若手エンジニアが解説!「CL」が高品質なプロダクトをつくるために取り組んでいる独自の施策とは
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 株式会社サイバーエージェントのCL事業部では、LDHのエンタテインメントコンテンツを届けるFanTechサービス「CL(シーエル)」を開発しています。その過程で培ったノウハウを連載形式でお届け。第4回は「CL」が高品質なプロダクトをつくるために取り組んでいる独自の施策について紹介します。

 はじめまして。CyberLDHが提供するFanTech(ファンテック)サービスで、ソフトウェアエンジニアとしてiOSアプリの開発を行っている下村です。第4回では、「CL」が高品質なプロダクトをつくるために取り組んでいる独自の施策について解説します。

最新技術のキャッチアップを欠かさない"技術好き"のメンバーが多く在籍

 私は都内のベンチャー企業でアプリの立ち上げと運用をいくつか経験したあと、2019年度に新卒でサイバーエージェントに入社。立ち上げメンバーとしてCL事業部に所属し、ソフトウェアエンジニアとしてiOSアプリの開発をしています。

 立ち上げ当初のCL事業部は、CATS(Client Advanced Technology Studio:スピード感をもって品質の高いクライアントサイドの実装をプロダクトに提供する専門チーム)のメンバーが多く在籍していました。「CL」の立ち上げ前にもすでにふたつのアプリを立ち上げていたチームで、社内でもアプリ開発において技術力の高いエンジニアが所属していました。私はその組織に身を置くことで自身の技術力を高めることができると思い、CL事業部で働くことを選びました。

 CL事業部で印象的なのは、最新の技術をキャッチアップしているメンバーが多いことです。WWDC (Worldwide Developers Conference)というAppleの開発者会議は日本時間の深夜から開催されますが、その翌日のCL事業部は「昨日のWWDCすごかったね」といった会話が自然に生まれるような、根っからの技術好きな人が多いです。WWDCで「CL」にも取り込めそうな機能が登場した際は、国内で出回っている情報が少ない中、公式の英語ドキュメントのみですんなり実装できてしまう人もいたことには驚きました。

チーム全員に承諾をもらう、徹底したコードレビュー

 そんなCL事業部ではコードレビューの文化が浸透しています。そのひとつの例が、自分以外のメンバー全員がソースコードをレビューし、承認をもらうことができないとプロダクトへ組み込まれないというスパルタな文化です。入社した当時はエンジニアが5名だったため、4名から承認をもらう必要があったのですが、設計や変数名のドキュメントを提示したコメントをつけてもらうためメンバーの知識が集約されますし、自身を律する機会にもなります。

 過去には、コードレビューが厳しさから、ひとつの画面を実装しただけでレビューコメントが200件ほどに達してしまい、業務がなかなか終わらなかったこともありました。大学時代に自分自身でアプリを開発したり、企業のサポートで開発をしていた経験から実装力にはある程度自信がありましたが、CL事業部で全然通用しなかったため、心が折れそうになった時期もありました。ただ、1つひとつのコメントが意味があり納得できるものだったため、今は吸収の期間だと思い、ひたすらコメントと向き合うことに。修正指示どおりにコードを直すだけでなく、レビュワーの意図を聞いたり知らない知識は調べながら進めることで、自分の知識を広げたり正しい設計ができるようになりました。大変ではありましたが、貴重な経験だったと思います。

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