Meta、保護者が子どもの利用を管理しやすくするファミリーセンターを日本導入 インスタとVRで利用可

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2022/06/28 12:00

 Metaは、保護者が子どもの利用を管理しやすくするファミリーセンターを日本でも順次導入し、Instagramと全てのMeta Questヘッドセットで利用できるようになることを発表した。

 ファミリーセンターは、Metaが提供するプラットフォームにおける10代の利用者のオンライン体験を保護者が見守り、サポートしやすくなるようなツールやリソースを提供する。専門家や保護者、若年層の利用者の協力のもと開発された。今年3月、米国の利用者を対象にInstagramで先駆けて導入しており、将来的にはInstagramやMeta Quest製品以外にも対応し、さまざまなプラットフォームでの体験を一箇所から管理できるようにしたいと考えているという。

保護者のための教育ハブ
保護者のための教育ハブ
保護者のための教育ハブ
保護者のための教育ハブ

 ファミリーセンターには保護者に向けた教育ハブが用意されており、専門家によるリソース、子どものオンライン体験を管理するうえで役立つ記事や動画、ソーシャルメディアについて子どもとどのように話すべきかといったトピックに関するヒントなどにアクセスすることができる。また、ペアレンタルコントロールツールの使い方を説明するチュートリアル動画を見ることもできる。

 さらに、日本でファミリーセンターを導入するにあたり、これまでにMetaが国内向けに制作してきた「保護者のためのInstagramガイド」などの各種リソースや、NPOパートナーが提供するサイトへのリンクなども紹介している。

  • 保護者のためのInstagramガイド:Instagramを利用している子どもを持つ保護者向けに、基本的な機能の説明や、困ったときに参照できる情報などを紹介。日本国内のNPO 6 団体の協力のもと作成し、2018年に第一版、2021年3月に第二版を公開。
  • みんなのデジタル教室:Metaがグローバルで提供するデジタルリテラシー教育プログラム。デジタル世界で必要となるスキルについて理解を深め、責任あるデジタル市民によるコミュニティを構築するための各種リソースを提供。今年2月より、Instagramを安心安全に使うための24種類の機能について、詳しい設定方法を紹介するチュートリアル動画も公開。
  • 多様なコミュニティのためのInstagram & Facebook 安全ガイド:LGBTQ+コミュニティや障がいを持つ方々、女性など多様なコミュニティに向け、安全なSNS利用のための機能や、実際にInstagramやFacebookを活用しているコミュニティによるメッセージを紹介。
  • 子どもをいじめから守る大人の相談窓口:特定非営利活動法人ストップいじめ!ナビによるサイト。子どもがいじめや嫌がらせを受けたときに大人ができることなど、子どものいじめに関する様々な情報を掲載。

Instagramのペアレンタルコントロールツール

 日本でもInstagramのペアレンタルコントロールツールを導入する。同ツールを使うと、13歳(Instagramを開設できる最低年齢)以上の子どものInstagramアカウントについて、利用時間などのインサイトを保護者が確認できるようになり、利用体験を管理しやすくなる。保護者は18歳以上で、Instagramのアカウントを持っている必要があるとのこと。

 今回、日本で導入するツールは、今年3月に米国で先駆けて導入した機能の一部をより使いやすく改善したほか、新たな機能も追加している。たとえば、ペアレンタルコントロールツールを設定するためには保護者と子どもの双方がツールの使用に同意する必要があり、これまでは子どもからリクエストを送る必要があったが、保護者と子どものどちらからでもリクエストできるようにアップデートを行った。

 Instagramのペアレンタルコントロールツールで利用できる機能は次のとおり。保護者に表示される内容は子どもにも表示されるため、お互いに容易に情報を共有することができる。

  • 子どもの利用時間を確認し、上限を設定
  • 1日あるいは1週間のうち特定の時間を選び、子どもがInstagramを利用できないように設定
  • 子どもがフォローしているアカウント、および子どもをフォローしているアカウントを確認。また、子どもが新たにアカウントをフォローしたり、フォロワーが増えたときは通知を受け取る
  • 子どもがアカウントや投稿を報告したとき、通知を受け取る。また、どのアカウントを報告したか、どんな理由で報告したかなどの詳細を確認

 同ツールは次の方法で設定することができる。リクエストは保護者と子ども、どちらからでも送ることが可能で、有効期限(48時間)以内に相手が承認する必要がある。期限が切れたあとはいつでも再送信することができる。

リクエストを送付するとき

  1. プロフィール画面の右上にある三本線のアイコンをタップし、「設定」を選ぶ
  2. 「ペアレンタルコントロール」 をタップし、「次へ」を選ぶ
  3. 画面に表示される情報を確認し、「招待する」をタップ
  4. ツールを設定したいアプリを選び、リクエストを送付
  5. リンクをコピーし、ツールを設定する以外のメッセージングアプリなどで相手にリクエストを送ることも可能

リクエストを承認するとき

  1. ツールを設定したいInstagramのアカウントにログインした状態でリクエストのリンクをタップし、ファミリーセンターを表示
  2. 「次へ」をタップし、「招待を承認」をタップ

VR(Meta Quest)のペアレンタルコントロールツール

 また、Meta Quest製品でもペアレンタルコントロールを展開。保護者はペアレントダッシュボードから、 次のようなことが可能となる。

  • IARCによるレーティングに従って、デフォルトでブロックされているアプリケーションのダウンロードまたは購入を保護者が承認できる。
    ・13歳以上の子どもは、「購入希望」のリクエストを申請すると、保護者にその旨の通知が届く。
    ・保護者はOculusモバイルアプリからそのリクエストを承認または拒否することができる。
  • 保護者は、子どもにとって不適切な可能性のある特定のアプリをブロックし、そのアプリを起動できないようにすることが可能。ブロックできるアプリは、ウェブブラウザのようなアプリやMeta Questストアでダウンロードまたは購入できるアプリが対象。
  • 保護者は、子どもが所有するすべてのアプリを見ることができる。
  • 保護者は、子どもがVR内で購入するたびに「購入通知」を受け取ることができる。
  • 保護者は、Oculusモバイルアプリからヘッドセットを利用しているスクリーンタイムを見ることができ、子どもがVRにどれくらいの時間を費やしているかを知ることが可能。
  • 保護者は、子どものOculusフレンドのリストを見ることができる。
  • 保護者は、子どもがPC上のコンテンツをQuestのヘッドセットからアクセスすることを防ぐために、LinkやAir Linkをブロックすることができる。

 保護者が子どものアカウントとリンクをする際は、子ども側から申請を行い、保護者と子どもの双方の同意が必要となる。

 また、VRについても保護者向けの教育ハブを開設し、NPOパートナーConnectSafelyによるVRペアレンタルコントロールツールのガイド(英語のみ)など、保護者が子供とバーチャルリアリティについて話し合うのに役立つリソースを提供する。

安心安全のための取り組み

 利用者、特に10代を含む若年層の利用者に安心安全なオンライン体験を提供することは、同社にとってもっとも重要な取り組みのひとつ。ファミリーセンターは長期的なプロジェクトで、今回の導入はその第一歩にあたる。子どもにとって何が最適なのかを理解している存在である保護者にツールやリソースを提供することで、子どもの体験を管理しやすくなるようサポートする。ファミリーセンターは今後もアップデートを続け、ペアレンタルコントロールツールにも順次オプションを追加するなど改善していく予定となっている。

 今後も同社は、専門家と協力を重ね、保護者や若年層の利用者のフィードバックを得ながら、機能の開発や改善、啓発プログラムなどに継続して取り組んでいく考え。