はじめまして。CyberLDHが提供するFanTech(ファンテック)サービスでプロダクトマネージャーを務めている川又です。最終回では、「CL」がファンの声に耳を傾けFanTechサービスを進化させてきた方法について解説します。
私は音楽エンタメが大好きで、常にアーティストの“ファン”であり、何か辛いことがあったときにいつも“推し”に元気を与えてもらっていたという経験があります。とくに2020年に新型コロナウイルスが流行したタイミングでは、音楽エンタメが国民にとって想像以上の支えになっているのではないか――。そう感じたことや、広告営業としてウェブマーケティングに携わっていたころからいつかワクワクするサービスを提供する側に回りたいと考えていたことなどが重なり、アーティストとファンをつなげるサービスづくりに挑戦したいと思いました。
参画した当初は、宣伝やキャンペーンの運営を中心に担っていましたが、アプリサービスを作り、提供する立場として開発の知識を持っておくべきだと考え、プロダクトマネージャー(以下、PM)業務に従事するようになりました。開発領域のPM職は自分にとって新しい挑戦です。
定性的なN1分析を行い、一歩深いファンの感情に目を向ける
どんなアプリサービスでも「ユーザー目線であること」を大切にしていると思いますが、FanTechサービスはさらに一歩深く、サービスに対するユーザー目線に加え、サービス内のコンテンツに出演する「所属アーティストに対するファンの心情」まで理解することが重要だと考えています。つまり、データだけではわからない定性的な感情にも徹底的に向き合うということです。
そのためには事務所やアーティストの発信も常にキャッチアップし、ファンの皆さんがSNSやその他のオウンドメディアでその内容にどんな反応をしているのかまでを確認します。そうすることで、ファン皆さんから見た「CL」がどのようなポジションで、今後何を提供できると喜んでもらうことができるのか。そしてリスクがあるとしたらどのようなものがあるのか、といった点まで必然と見えてきます。時には、実際にファンの方にお声がけし、N1分析を行うこともあります。
N1分析は、商品の顧客の中から特定のひとりを深く分析・理解し、そこから生まれたアイディアを事業や施策などに反映していく「顧客起点」の発想をもとに考えられた分析・調査手法を指しています。CL事業部でも、LDHのファンの知人に声をかけ、好きなアーティストや接触頻度、使用する金額、ほかのファンの方々との関わりなど、推し活やサービスにまつわる内容について1時間ほどのインタビューで伺う機会をつくっています。
また、そのほかの音楽エンタメ業界のアーティストのファンにも目を向けることも大切にしています。昨今アーティストとファンをつなぐ手法が増えていることから、その手法に対するファンの反応を見て、「CL」にいるLDHファンにも喜んでいただけそうなことを模索するためです。