ICT総研は、「2025年7月 法人向け生成AIサービス利用動向調査に関する調査」を実施し、概要をまとめた。
法人による生成AIサービスの導入は今後も拡大、2027年末には59.2万社に到達
法人による生成AIサービスの利用は急拡大しており、2027年末には約59.2万社に達する見通しと発表した。生成AI技術の進化に加え、業務効率化や意思決定支援、創造的業務の補助といった多様な業務ニーズに応える柔軟性が高く評価されている。特にツールの操作性やコスト面のハードルが下がったことで、中小企業や非IT業種でも導入のハードルが大きく低下し、普及に寄与していると考えられる。
今後は、生成AIが業務標準の一部として定着していくことが見込まれる。ビジネスプロセス全体の再構築や生産性向上に寄与するインフラとしての役割も期待される。

生成AI導入済の法人は約4社に1社、導入検討中は46.2%
調査によると、業務での生成AI導入済みは24.4%(業務利用15.0%、トライアル9.4%)。一方、導入検討は7.4%と限定的だった。生成AIの導入に対する慎重な姿勢が根強いことがうかがえる。

ChatGPTの利用率は52.1%で最多、Copilot・Geminiも4割前後の利用率
法人利用率ではChatGPT(OpenAI)が52.1%で最多。次いでMicrosoft Copilot(42.3%)、Google Gemini(28.5%)が続く。用途別にClaude(Anthropic)、Apple Intelligence、Notion AI、GitHub Copilotなどの活用も広がりつつあり、今後は業務領域や操作性に応じて複数サービスの併用も進む見通し。

利用者満足度1位はNotion AIで83.3ポイント、ChatGPTが 83.0ポイントで続く
利用者満足度ではNotion AI(83.3ポイント)が最も高く、ChatGPT(83.0ポイント)、Apple Intelligence(82.1ポイント)なども高水準だった。特定用途に強みを持つサービスや、OS統合型のAIが支持される傾向が見られる。

利用端末はWindowsノートPCが主流、スマートデバイスでも一定の活用広がる
生成AIサービスの業務利用における端末環境としては、「ノートPC(Windows)」で65.3%で主流に。一方で、スマートフォン(iPhone 23.4%、Android 17.6%)やタブレット(11.6%)も一定数利用されており、比較的汎用的なデバイスに集中していることが示唆された。

調査概要
- 調査期間:2025年5月19日から5月31日
- 調査対象:インターネットユーザー
- 調査人数:4,068人
- 調査方法:ウェブアンケート