NFTとは「Non-Fungible Token(代替不可能なトークン)」の略で、デジタル資産に固有の所有権と希少性を与えることができる技術です。2021年3月にアーティスト「Beeple」の『Everydays—The First 5000 Days』という作品が、日本円で約79億円にて落札され、NFTが一気に注目されるようになりました。ちなみに現存アーティストのオークション記録では、第3位の金額です。NFTは当時に比べると落ち着いてきてはいるものの、クリエイターにとって新たな表現の場であることは間違いありません。
NFTはブロックチェーン技術を活用することで、デジタル上においても唯一性を付与し、資産価値を生み出すことが可能です。それだけではなく、フィジカルなアートやコンテンツでは今まで難しかった「二次流通時のロイヤリティ」を作者に還元できる点も、クリエイターから注目される理由です。ただ、NFTは購入された後も原作作品の著作権は譲渡されない点には注意しましょう。
取引総額で最大4,500万円を超えも 日本発NFTの事例とその販売場所
日本発のNFTでも、村上隆さん、鉄腕アトムのような著名人といった人気IPが売れるケースだけではなく、9歳の少年が夏休みの自由研究として生み出した『Zombie Zoo(ゾンビ・ズー)』が取引総額で最大4,500万円を超えるといった事例も数多くあります。ここで、比較的最近話題となった日本発クリエイターによるNFTをまとめてみました。
基本的にNFTは、NFTマーケットプレイスに出展し販売します。もともとは「Opensea」の一強でしたが「Blur」が急激に成長し、2023年2月には一時的に世界一の取引高となりました。NFTはグローバルに市場があり、グローバルマーケットプレイスで販売することが一般的ですが、国内向けでも「楽天NFT」や「LINE NFT」などが登場し、販売実績も出てきています。その規模にはまだまだ大きな差がありますが、サービスもすべて日本語のため、売る側にも購入する側にとってもわかりやすいというメリットがあります。
NFTの作品傾向と人気の出る作画トレンド4選
クリエイターによるNFTでもっとも多くみられる形は、プロフィールピクチャー(PFP)と呼ばれるSNSのプロフィールに設定するものです。ベースとなる素体にパーツを組み合わせることで、それぞれが唯一無二のデザインを複数用意して販売しています。
2023年3月現在、OpenseaのTOP10のうち7つがPFP。所有者が自身の独自性を表現しつつ、所有者同士の所属感=コミュニティ意識を形成することができるからです。プロフィールアイコンとして活用することでプロモーション機能も果たしています。
以前はひとつのNFTで1万パターンを作ることが多かったですが、最近では100〜1,000個程度でプレミアム感を演出。所有者の数が少ない分、熱いコミュニティ形成を目指すケースも増えています。国内においては、VeryLongAnimalsは100個の販売で成功しています。
では、人気の出るNFT作画のトレンドにはどういったものがあるのでしょうか。日本発では、4パターンに大別できると考えています。
- ドット絵:VeryLongAnimals/Kawaii Skull
- 動物系:MetaSamurai/Live Like A Cat/Aopanda Party
- 日本の単語や文化プッシュ:CryptoNinja Partners/ギャルバース/WAFUKUI
- クオリティの高いアニメ風女の子キャラ:MEGAMI/おにぎりまん
ちなみに[3]は、海外のプロデューサーが日本カルチャーを活用し成功している『AZUKI』などの事例もいくつかあります。今後トレンドは変化していくと思いますが、まずは上記を参考にしてみてください。