[後編]生成AIと作る広告PR風アニメーション 動画制作にまつわるAIツール活用法とは

[後編]生成AIと作る広告PR風アニメーション 動画制作にまつわるAIツール活用法とは
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 この連載では、XRやAIといった先端テック×クリエイティブの分野で活動し、企業のR&D支援を行うCHAOSRUの内藤薫さんが、生成AIブームへの期待と不安を抱えるクリエイター層に向けて、その実態と未来像を探っていきます。前回は、動画生成AIの中でも代表的なツールのひとつである「Runway Gen-2」を実際に使いながら動画を作るフローを紹介しました。今回はその後編として、テキストやナレーション、静止画など、動画制作に関連するさまざまなAI/効率化ツールの活用方法をお伝えします。

 まず、完成した動画からご覧ください。前回の記事で紹介した次の動画は「個人のアクセサリ作家が自分のブランドのコンセプトビデオを作ってみる」を仮の設定として制作したものですが、今回は、メインのアニメーション部分以外の素材や音声、テキストなどに注目しながら、その制作方法や使用したツールをひとつずつ解説していきます。

アクセサリ画像 ×「Midjourney」

 アクセサリブランドをイメージした動画を想定していましたが、架空のブランドのため、アクセサリの画像がありませんでした。そこで、今回は画像生成AI「Midjourney」を使ってサンプル画像を生成しています。当然ながら、実際に商品を持っている場合にはその画像を使用すればOKです。

 画像の背景にグラデーション素材を加え、「Runway Gen-2」のIMAGE(画像アップロードから動画を生成する機能)を使って、動きをつけました。

 Midjourneyの使いかたはここでは割愛しますが、画像生成AIの中ではコントロールがしやすく、私も愛用しています。まずMidjourneyで理想的な静止画を生成し、そのあとGen-2で動画化するというフローも効果的でしょう。

ブランド名×「ChatGPT」

 今回、架空のブランドのコンセプトビデオを制作しているため、ブランド名やロゴも考える必要がありました。そこで、ブランド名はChatGPTのアイディアに頼っています。

カラフルでかわいらしい20代向けのアクセサリブランドの、おしゃれなブランド名を考えてください

このお題に対してChatGPTが出力したアイディアは次のとおりです。

  1. ColorMuse
  2. HueBloom
  3. KawaiiKaleidoscope
  4. PastelPulse
  5. ChromaCharm
  6. LivelyLuxe
  7. DaintyDazzle
  8. VividVignette
  9. ColorCraze Co.
  10. KaleidoKiss 

 今回はこの中から「KaleidoKiss」を選ぶことにしました。万華鏡のイメージがある「Kaleido」と「Kiss」の組み合わせが、若者らしくカラフルでポップな雰囲気になりそうだと感じたためです。

ロゴデザイン×「Canva」

 ロゴデザインは、デザインツールとしては定番になりつつある「Canva」を使います。Canvaはさまざまな外部ツールを取り入れるのが早いサービスで、AI関連の機能も次々に導入されています。

 今回、複数の手法でいくつかの候補案を作成しました。Canvaのさまざまな機能を使うことで、これらの案を作る制作時間も30分程度におさめられたのではないかと思います。

Canvaでロゴを作る方法3選

 これらの案を作るために、3つの手法を使い分けています。

1.生成AIツール「Text to Image」の利用

Canva内の画像生成AIツールを利用して制作。テキストは破綻してしまうAIも多いですが、ある程度それらしい出力をしてくれました。

2.テキストや画像をAIで加工してくれる新たなツール「Magic Morph」の利用

3.Canva内のロゴテンプレートを使ってカスタマイズ

決定したロゴ

 さまざまな手法で案を作った結果、すっきりとして使いやすそうな次のロゴを採用することにしました。

 AIツールはいずれも可能性を感じるものではありますが、制御が難しいことやテキストの生成に弱い側面もあります。結果としては、テンプレートによるカスタムがもっとも早く納得のいく結果を得ることができました。

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