ポッキーなど各ブランドとは別に会社公式アカウントを運用 江崎グリコ流、SNS活用とは

ポッキーなど各ブランドとは別に会社公式アカウントを運用 江崎グリコ流、SNS活用とは
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2024/01/18 08:00

 江崎グリコといえば、言わずと知れた日本の菓子メーカーの1社。創立は1922年で、大阪府大阪市に本社を置く。ポッキーやプリッツ、ビスコなどロングセラーのお菓子以外にも、冷菓や飲料、サプリメントなどを幅広く取り扱っていることも特徴だ。そんな同社は2022年12月に「デジタル推進部」を新設。黎明期ともいえる時期から行っていたSNS運用にもいっそう力を入れているという。今回はデジタル推進部に所属する桑原拓己さんにインタビューを実施。同社におけるSNS運用の考えかたについて話を聞いた。

会社公式の「LINE」「X」「Facebook」と別に、ポッキーなどブランドごとのアカウントも

――まずは桑原さんの担当業務やチーム体制、江崎グリコにおけるSNSアカウントの運用状況について教えてください。

デジタル推進部のなかでSNS運用を専門に担っているのは、私を含めて3人です。私以外のふたりが投稿文面やクリエイティブの制作、スケジュール調整などを行っており、私は企画の立案や文言のチェック、「LINE」「X(旧Twitter)」「Facebook」におけるブランドごとのアカウントの一元管理、またSNS運用以外ではコーポレートサイトの企画・保守運用なども担当しています。

私たちは、FacebookやTwitter(現X)がリリースされた直後からその運用を行ってきました。現在は企業としての公式アカウントのほかに、それぞれブランドごとにアカウントがあり、その数は合計すると40を超えています。SNSアカウントは、広告や商品開発担当者が兼任しているケースが多いですが、運用は自社スタッフのみで行っていたり、代理店さんと一緒に運用していたりとその体制はさまざまです。

江崎グリコ株式会社 デジタル推進部デジタルコミュニケーショングループ 桑原拓己さん
江崎グリコ株式会社 デジタル推進部 桑原拓己さん

また弊社では、LINEお友だち数が700万人を超えるポッキー、400万人を超えるプリッツがある一方で、アカウントを持っていないブランドも多々あります。そのため、会社の公式アカウントとしては、情報発信の窓口を持たないブランドの情報をどのように伝えていくか、どんな投稿をするのかを考えることも大切な役割のひとつです。

――それぞれのSNSはどのように役割を分けていますか?

実は、これまでアカウントごとの役割を明確に分けることができていなかったのですが、昨年その目的を整理することができました。

たとえばFacebookでは海外のフォロワーの方も多く、そのほかのSNSに比べて年齢層も比較的高いこともあり、ニュースリリースをはじめとしたオフィシャルな投稿がメインです。また、従来Xではニュースリリースと変わらない少し堅い投稿が多かったのですが、最近は親しみを感じてもらえるようなフレンドリーな発信を心がけています。

2021年に公式アカウントをスタートしたLINEに関しては、当初は「お友だち」の数も3,000人程度だったものの、現在は40万人を超える規模になっています。LINEでは、江崎グリコのファンの皆さんにキャンペーンや商品の最新情報をお届けするなど、よりコミュニケーションに特化したアカウントになるよう意識しています。

LINEの江崎グリコ公式アカウントでお友だち登録をした際に送られる最初のメッセージ。
LINEの江崎グリコ公式アカウントでお友だち登録をした際に送られる最初のメッセージ。

実際にLINEの「お友だち」を増やすために、リアルを含めさまざまなイベントを行ったり、「お友だち」になってもらえた場合に、何かしらのインセンティブをお渡しするといったキャンペーンを実施したりしました。また、2022年に立ち上げた「Glicoすこやかな食生活プロジェクト」の大規模プロモーションのなかでその数も増加していきましたね。ですがせっかくたくさんの方に「お友だち」になっていただいても、提供すべき情報が適切でないとどんどん離れていってしまうため、どのような発信をすべきかはチームのメンバーとじっくり考えていきました。

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