2025年、UIUXデザインはどう進化する?クリエイティブエージェンシー Shoreditch Design創業者「8つの予言」

2025年、UIUXデザインはどう進化する?クリエイティブエージェンシー Shoreditch Design創業者「8つの予言」
  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket
2025/04/10 08:00

 クリエイティブやテクノロジー領域を中心に、海外で話題のトピックをお届けする本連載。今回は、Design Weekに掲載された記事「What will the next 12 months bring for UX/UI design?」を日本の読者向けに要約し、今後のUIUXデザインのトレンドについて紹介します。

 2025年、「ゼロUI」から「あらゆるものの3D化」をふくめたデジタルデザインについて、ロンドンとメルボルンに拠点を持つグローバル・クリエイティブ・エージェンシー Shoreditch Designの創業者、アンドリュー・バートン(Andrew Burton)氏の予測を紹介する。同氏は、とくにスタートアップ向けのデザインとブランディングに関して、実務経験を通じて培われた高い専門性を持つ、影響力の大きいデザイナーだ。

 業界にとって厳しい年だった2024年。パンデミック後の景気回復による雇用市場の回復は期待されたほどではなかった。しかし、モーションやシャープなタイポグラフィを特徴とするすばらしいプロダクトやウェブサイトが登場した年でもあった。

 2025年は、インターフェースデザインやソフトウェア開発全般にとって激動の年になる。さらに進化したデザインが求められるだろう、というのがアンドリュー氏の見かただ。

トレンド1:ニヒリスト・モードの台頭

 ニヒリストとは、ニヒリズムを信じる人「虚無主義者」、つまり「物事の意義や価値は存在しない、自分自身の存在を含めてすべてが無価値である」という考えを持つ人だ。

 これまでの「かわいくて親しみやすい」デザインは終焉を迎え、文化的要素が低く無骨さを表現するブルータリズムなフォントや無機質なデザイン、冷徹とさえ感じられるようなコピーが主流になる可能性がある。ダークモードがさらに進化し、よりシンプルで洗練されたスタイルが求められるだろう。

ニヒリスト・モードなデザイン(出典:Dribbble)
ニヒリスト・モードなデザイン(出典:Dribbble

トレンド2:AIによる適応型インターフェース

 AIの発展により、ユーザーの行動や好みに応じて即座に最適化されるインターフェースが現実のものとなる。

 たとえば、銀行アプリが不要な支出項目を非表示にし重要な支払いなどを優先的に表示したり、音楽アプリがユーザーの好みに合わせたカラーテーマを適用したりするなど、ユーザーにインターフェースが自動的に適応していく。

 しかし、ユーザーのなかには一貫性を求める層がいることも忘れてはいけない。過度なカスタマイズには慎重な対応が必要となるだろう。

トレンド3:折りたたみデバイスの普及とスクリーンの進化

 Galaxy ZシリーズやGoogle Pixel Foldなどの折りたたみ式デバイスが普及しつつある。これが意味することは、UIデザインはより柔軟で適応性の高いレイアウトが求められるということだ。

 現在、ほとんどのアプリはひとつの画面のスマートフォン向けにデザインされ、これらはおもにiPhoneの標準的な横幅に対応している。折りたたみ式デバイスはまだ主流ではないものの、これまでのスマートフォン中心のデザインから脱却し、複数の画面サイズやアスペクト比に対応する必要が出てくるのはたしかだ。

トレンド4:3Dデザインの拡大

 AIツールの発展により、誰でも3Dデザインの作成が容易にできるようになり、3Dのトレンドは急速に広まってきている。そして当然、インターフェースにおいても3D要素が増加するだろう。

 インターネット上に構築された3次元の仮想空間やサービスであるメタバースの普及はまだ進んでいないが、大手テック企業はメタバースの実現を諦めたわけではない。今はAIに注力しているだけである。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。