「別世界の自分」はどんな顔? AIがメイクを提案
穴を覗くと、パラレルワールドの自分が現れる――。グローバルメイクアップブランド「KATE」が、顔のパーツ比率や肌の色分析を通してAIによるメイク提案を受けられるアトラクション型メイクシミュレーター「KATE MULTIVERSE HOLE」を稼働させている。
KATE MULTIVERSE HOLEは、2023年9月末にオープンした「マツモトキヨシ SHIBUYA DOGENZAKA FLAG」の1階に設置している。利用者は、まず機械の穴に顔を入れて覗く。すると、顔をスキャンしてパーツの比率や肌の色を分析し、その後まるでパラレルワールドへワープしたかのような演出を経て、AIが提案するメイクを施した自分の顔が表示される。
その顔のパターンは3つ。3段階の「別世界度」に応じており、動きなどもそれぞれ少しずつ異なって表示されると言う。利用者が3つのなかから直感的に気に入ったものを選ぶと、再度ワープした演出があり、現実世界に戻ってくるような体験ができる。すると、最初は中が見えないようになっていた機械下部の棚が見えるようになり、そこでレコメンドされた商品の棚が点滅し、ピックアックして購入もできる仕組みとなっている。なお、KATE MULTIVERSE HOLE自体で体験できるのは、AIによるメイクの提案や商品のピックアップだが、発行される二次元コードをスキャンすれば、メイク方法の解説も見ることが可能だ。
KATEのマーケティング担当として体験型施策などに関わる松本典子さんは、KATE MULTIVERSE HOLEのコンセプトを「別世界線の自分を覗く」ことだと説明する。
「『もしも、自分が今と違うメイクをするタイプだったら』という点から着想を得ました。そこから、世界に1台しかないメイクシミュレーターとして、穴を覗いた先に別の世界線の自分がいる――という形へとブラッシュアップしていきました」(松本さん)