バズる企画のためのヒントも伝授 リサーチから考える、TikTokアカウントの企画術とは

バズる企画のためのヒントも伝授 リサーチから考える、TikTokアカウントの企画術とは
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 TikTokに特化したアカウントや広告運用などを担うstudio15でアカウント運用チームの責任者をつとめる畠山さんが、TikTokアカウント運用をレベルアップさせるためのノウハウを届ける本連載。第2回は「企画立案方法」についてです。

 前回はTikTok運用のマインドについてお伝えしましたが、今回のテーマは「時間のないアカウント運用担当者でも今すぐに活用できる企画立案方法」です。バズることが必ずしも正義ではないですが、まずTikTokにおいては多くの人に見てもらうことがスタート。バズる企画にするための方法も伝授します。

企画づくりのファーストステップは「TikTok内で流行している動画探し」

 企業に所属して自社のTikTokアカウントを運用しているほとんどの方は、他業務と兼務していることが多いのではないでしょうか。その場合にネックとなるのが、TikTokに割く時間が少ない点です。それを解消するために、多くの時間をかけずに撮影できそう、かつバズるような企画は何かを考えていくのですが、もっとも有効な方法は「TikTok内で流行している動画を探し、それをアレンジして投稿すること」。可能であれば2週間以内に流行したもので、海外から日本まで幅広く動画を探すようにしましょう。具体的な目安は次のとおりです。

日本の動画

再生数:100万再生以上 or いいね:20,000以上/投稿日:2週間以内

海外の動画

再生数:500万再生以上 or いいね:100,000以上/投稿日:4週間以内

 ひとつのポイントは、日本と海外の100万再生では価値が違うという点です。再生数+利用者数で考えたると、海外の利用者数のほうが圧倒的に多いため、必然的に同じ再生数の時は日本のほうが価値が高くなります。日本では100万再生がバズりのひとつの基準になりますが、海外だと1,000万再生を超える動画も珍しくありません。海外動画を探す際は、日本と同じ基準で探さないよう注意しましょう。

 なにか物事を学ぶときに「守破離」が大切だと言われますが、それは動画でも同じです。TikTokではすでに投稿されている動画が師匠、つまり「守」に当たります。まずはTikTok内でどのような動画が話題になっていて「良い動画」とされているのかをリサーチして学びましょう。いくら有名な映画監督やテレビ局の構成作家であっても、理解していなければバズることができないのがTikTokなのです。

TikTokの構成におけるポイントとは

 横向きのロング動画やPV、広告動画などとショート動画は、気を付けるべきポイントが異なります。企画には慣れていたとしても、それがショート動画向けでなければバズを生むことはできません。

動画の長さ

 多くの動画は30秒~1分半程度の長さですが、現状のTikTokは基本的に10分まで、一部ユーザーは60分まで投稿することができるようになっています。伸びやすい動画の分数についてはさまざまな議論がありますが、自身の企画が長尺向きではないのに無理に分数を伸ばすことは、内容が薄くなるためオススメしません。自分の企画が最大限活かせる分数でまずはチャレンジしましょう。

構成

 基本的に「起承転結」で考えていきますが、動画に当てはめると構成内容は次のようになっています。

  • 起: 事実や出来ごとを述べる。
  • 承:「起」で述べたことに関することを述べる。解説したり、それによって起こる問題点を述べたり、感想や意見を述べたりする。
  • 転:「起」「承」とは関係のない別のことがらを引き合いに出す。
  • 結: 全体を関連づけ、締めくくる。

 ポイントは、「転」で関係のない別の事柄について触れることです。ストーリーと関係ないように見える内容を、最後に回収するイメージです。昔からある例ではありますが、次のような歌があります。

  • 起:大阪本町 糸屋の娘
  • 承:姉は十六 妹が十四
  • 転:諸国大名は 弓矢で殺す
  • 結:糸屋の娘は 目で殺す

 「大阪の本町にある糸屋の娘は、年頃でかわいい盛り」であることを、「起」と「承」で示していますが、「転」で出てくるのは「大名が弓矢で敵を殺す」というまったく関係のない話。見た人はここで一瞬混乱しますが、それに続く結末で「かわいい糸屋の娘たちは視線で相手をおとす」というオチが示されると、困惑が納得に変わる構成です。

 ただこのように「転」をつくり最後に回収するのは、運用初心者にとって難易度が高いかと思いますので、その場合は次の例を参考にすると良いでしょう。

  • 起:とあるプロジェクトにアサインされた経験豊富なベテラン社員と新人
  • 承 前半:ふたりは意見が割れて反発し合う
  • 承 後半:ベテランが新人を認め始める
  • 転/結:ベテラン社員がトラブルに巻き込まれるも、新人が解決

 このように「何か事件やトラブルが起こる」といった設定にすると、「転」が考えやすくなります。もちろん「転」が別の事柄であればあるほど爽快感があるオチになりますが、まずは「何かが起こる」といった粒度で考え始めると良いでしょう。

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