VTuberやアプリなど注目度上昇中 クリエイター視点で「アバター文化」の今を解説

VTuberやアプリなど注目度上昇中 クリエイター視点で「アバター文化」の今を解説
  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket

 XRやメタバースといったキーワードは依然として未来を感じさせる魅力的な響きを含む一方、一過性のブームが去ったように捉えられる風潮もあります。こうしたなか、デザイナーやクリエイターとしてバーチャル文化とどのように向き合うべきなのか、疑問に思う人も多いかもしれません。この連載では、デザイナーやクリエイターの観点を主軸に、Oculus Rift DK1時代からXRに取り組み作品制作や企業のXR導入支援を行ってきたCHAOSRU代表の内藤薫さんが、その全体像を俯瞰した考察をまとめていきます。第8回は「アバター」についてです。

アバター文化の注目すべきポイント

1:新しいインターフェイスとして

 アバターと言うと、キャラクター文化として捉えられる側面もあると思います。しかし、従来の2DのUIから進化したひとつのデザインカテゴリ「表情を持った新しいインターフェイス」と考えてみると、新しいデザイナーの職種が生まれる可能性がありそうです。

2:経済圏の拡大

 アバター文化が普及していくことで、アバター自体のデザインだけでなく、ファッションアイテム販売といった新たな経済圏が広がることにもつながります。

3:社会的意義

 現実世界で生きづらさを抱えていた人などが、居場所を見つける場合も多いでしょう。ルッキズムやエイジズムからの解放といった観点からも、アバター文化は「ひとつの理想郷」とも言えるのではないでしょうか。

「アバター文化」と関連が深い「VTuber」を深掘り

 「アバター文化」と聞いて最初に思いつくのはVTuberかもしれません。ホロライブやにじさんじといった大人気VTuberを抱えるプロダクションが、エンターテイメントの文脈で大きく注目を集めています。そのなかでもさまざまな文化が生まれつつあるので、いくつかの切り口から事例を見ていきましょう。

企業PRとして活躍するVTuber

 最近では、製品やサービスのPRにVTuberを起用する企業が増えてきました。企業専属のVTuberだけでなく、人気のVTuberとインフルエンサーマーケテイングのような形でコラボする場合もあります。

 

 企業のPRにおいては、IPコンテンツとしての側面だけではなく、企業の意図を伝えるためのコンテンツデザインもより強く求められるはずです。今後、どのような企業がどんなケースで活用し、浸透していくことになるのか。その普及に注目しながら、クリエイターとしての関わりかたを考えていくのもおもしろいかもしれません。

各種登場している「アバターアプリ」の今

 誰でもアバターになれる個人向けアバターSNSも、Z世代を中心に文化として広がりを見せています。

ZEPETO

 ZEPETOは、世界中のZ世代に人気のアバターSNS。2024年3月時点でユーザ数は4億6千万人を超えたとされています。アバタークリエイトやライブ配信、TikTokのようなSNSの要素が一体となっており、これが「メタバース」型の完成フォーマットとしてはひとつの完成形ではないかと個人的には考えています。

 ZEPETOでは、個人によるアイテム販売などでマネタイズが可能なほか、企業プロモーション制作の観点で活躍できる可能性もあります。

Reality

 Realityは、アニメ調キャラのアバターを作り、ライブ配信できる配信アプリです。2023年11月には全世界で1,500万ダウンロードを記録しています。(参照元:プレスリリース

  

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。