Apple Intelligenceだけじゃない 「iOS 18」が目指す個性化新時代のゆくえ

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2. 進化したコントロールセンター:機能性と美学の融合

 iOS 18ではコントロールセンターも大幅に進化し、単なる設定の集約場所からデバイスの中枢神経系とも呼べる存在へと変わりました。コントロールのレイアウトやサイズをカスタマイズしたり、スワイプですぐにアクセスできるように自分だけのコントロールのグループを作ったりすることも可能です。またロック画面の下部にあるコントロールもカスタムできるようになったため、既存のライトとカメラ起動のショートカット以外を割り当てることができます。

出典:iOS 18でiPhoneがかつてないほどパーソナルで、有能で、賢く
出典:iOS 18でiPhoneがかつてないほどパーソナルで、有能で、賢く

複雑さのなかにあるシンプリシティ

 新しいコントロールセンターのデザインには、「複雑さのなかにあるシンプリシティ」というAppleの哲学が色濃く反映されているように思います。多機能化が進む現代のスマートフォンにおいて、数多くの設定や機能をいかに整理しするか、そしてユーザーがわかりやすくかつ美しい形でいかに提示するか、といった課題へのひとつの解答となっています。各設定項目がモジュールとして実装され、ユーザーのニーズに応じて動的に配置を変更できます。

1. カスタマイズによるパーソナライズ体験の向上

使いたい機能をユーザーが自由に配置し、直感的に必要な操作を行えるように設計されています。これにより、ユーザーは必要な機能に即座にアクセスできるようになります。日常のスマートフォン操作が簡潔かつ効率的になります。

2. シンプルで直感的な操作

従来のように深い設定メニューに入る必要がなくなり、タップやスワイプなどのシンプルな動作で多くの操作が完結するようになります。カスタマイズによってユーザーがよく使う機能が優先的に表示されるため、必要な情報や設定に素早くアクセスできるようになっています。

3. マルチタスク処理の効率化

ユーザーが音楽を聴きながらホームデバイスの操作を行ったり、通知の管理をしたりする際など、マルチタスク処理において大きなメリットをもたらします。アプリを切り替えることなく、スムーズに操作を続けられるのが便利な部分です。

4. 拡張性と新機能の柔軟な追加

従来よりも多くの新機能や設定オプションがコントロールセンターに追加されています。サードパーティーアプリとの連携が容易になり、個々のライフスタイルに合わせたユニークな操作体験が可能になります。日常的なスマートフォンの使用がさらにシームレスになり、ユーザーが必要とする機能に適切にアクセスできる環境が整います。

 進化したコントロールセンターは、カスタマイズ性の向上、操作のシンプル化、マルチタスクの効率化と拡張性というメリットをもたらし、ユーザー体験を大幅に改善します。これにより、スマートフォン操作がよりパーソナライズされ、ユーザーのニーズに合った使い勝手の良い環境が整備されるなど、iOSエコシステム全体でさらなる利便性が提供されるようになっています。

3. 新しいカメラコントロールは創造性と機能性の融合

 iOS 18では、カメラアプリが大幅に刷新され、ユーザーの意図をより便利にスムーズに反映させるためのボタンが新たに導入されました。これらの変更は、iPhoneのカメラ撮影における写真・動画撮影体験を再定義するものです。パワフルな新しいカメラシステムは、ハードウェアとソフトウェアを統合し、AI技術と人間の創造性を融合させることで、ユーザーのカメラ体験を高めています。

ハードウェアとソフトウェアの巧みな融合

 iPhone 16のフレーム平面に沿ったサファイヤクリスタルのボタンには、クリック操作用の触覚スイッチや触覚フィードバックを可能にする感圧センサー、タッチジェスチャーを認識するためのマルチピクセル省電容量センサーが組み込まれています。続けて押すことでシャッターとなるなど素早いカメラ起動、長押しによる動画撮影やフォーカスロックなどにも応用できます。

出典:Apple Event
出典:YouTube「Apple Event — 9月10日(日本時間)

新しいカメラ操作の直感性とパーソナライズ

 カメラ操作の中心的な役割を果たすのは、新しいカメラコントロールやアクションボタンです。瞬時にアクセスしたり、ユーザーが自分の好みに応じてカスタマイズできたりするため、従来のUIよりも煩雑さを排除し、よりシンプルで直感的な体験を提供することが可能になります。これらは、「インタラクションコストの削減」にもつながっています。

 従来、カメラ機能の操作には複数のタップやメニューの遷移が必要でしたが、カメラコントロールやアクションボタンの導入により最低限の操作で済むようになり、ユーザーの集中力をより撮影に向けることが可能です。

出典:Apple Event
出典:YouTube「Apple Event — 9月10日(日本時間)

 また、カメラ機能はよりパーソナライズ化することができるようになっており、ユーザーは頻繁に使用する設定を保存し、ワンタップで呼び出すことが可能。これにより個々の撮影スタイルに最適化された体験を得ることができます。直感的な操作でありながら高度な機能も同時に扱えるため、プロやハイアマチュアなフォトグラファーにも役立つのではないでしょうか。頻繁に設定を変更する必要がなくなるため、UIの煩わしさを排除し、UXの向上に貢献しています。