こんにちは!Cosmowayが組織するデジタルプロダクション「factory4」のUI/UXデザイナー新谷です。
AppleはiOSの進化を通じて、常に洗練されたユーザー体験を提供してきました。「iOS 18」ではとくに「Apple Intelligence」に注目が集まるなか、それ以外にも多くの新機能やUI/UXの革新があり、デザイン面からも興味深い点が多数存在します。
本記事では、iOS 18におけるユーザーインターフェースとユーザーエクスペリエンスの革新的な変更点を深掘りし、それらがもたらす影響と背景にある理念や設計哲学を探っていきます。
1. ホーム画面の自由なカスタムレイアウト:個性化の新時代
iOS 18でもっとも目を引く変更点のひとつが、ホーム画面のカスタマイズ性が大幅に向上したことです。従来のiOSでは、アプリアイコンの配置には厳格なグリッドシステムが適用されていましたが、iOS 18ではこの制限が大きく緩和されました。ちなみにAndroid OSではすでにフリーなグリッドシステムが採用されています。
設計思想はユーザー中心主義がさらに進化した形に
この変更には、Appleの「ユーザー中心主義」の思想がさらに進化した形で表れています。従来のAppleのデザイン哲学は、シンプルさと一貫性を重視するものでした。しかし、ユーザーの多様性とニーズの複雑化にともない、ユーザーがより自由に自分の好みやワークフローに合わせてデバイスをカスタマイズする必要性が高まったことからきていると思います。
フレキシブルグリッドシステムの採用
新しいホーム画面のレイアウトシステムは、「フレキシブルグリッド」と呼ばれる技術にもとづいています。このシステムでは、従来の固定グリッドに代わって、動的に調整可能なグリッドが採用されています。アプリアイコンは、このフレキシブルグリッド上で自由に配置できるようになり、ユーザーは次のような新しい表現が可能になりました。
- グリッドに縛られない自由な位置にアイコンを配置できる
- 壁紙に合わせた構成的な配置ができる
- ダークルックにするなどアイコンデザインを変更できる
個性化と効率性の向上につながる
これらの新機能は、UXに大きな影響をもたらすものです。
1. 個性の表現
ユーザーは自分の好みや思考プロセスを反映したホーム画面を作成できるようになり、デバイスとの心理的な結びつきが強まります。
2. 情報の視覚化
関連するアプリを近くに配置したり、使用頻度に応じてアイコンサイズを変更したりすることで、情報の視覚的階層が生まれ、直感的な操作が可能になります。
3. 効率の向上
自身の使いかたに最適化されたレイアウトにより、アプリの起動や切り替えがより速くなり、作業効率が向上します。
任意アプリのロックと非表示
見られたくないアプリやそのなかの情報を守る方法がふたつ加わりました。任意のアプリのみをロックしたり、非表示にしたりすることが可能です。
ユーザーが選んだ任意のアプリに生体認証でロックをかけたり、非表示設定にした場合はアプリのアイコンをライブラリーの非表示フォルダに格納したりすることも可能。デバイスのロックもありますが、ちょっとした貸し借りなど、さらに細やかなユースケースに対応しています。