ライカカメラ、デジタルワークフローにアナログ撮影の要素を融合させたM型カメラ「ライカM11-D」を発売

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2024/09/16 08:00

 ライカカメラ社(以下、ライカ)のライカMシステムは、たしかな品質の証である"Made in Germany"の代表的な製品のひとつ。レンジファインダーカメラシステムであるライカMシステムは1954年に誕生した。

 以来、M型カメラとMレンズは独特の描写力、直感的な操作性、高精度なメカニズム、そして製品としての価値を末永く維持する信頼性によって、世界の名だたる写真家たちに評価されてきた。そして現在に至るまでそのアイコニックな外観デザインはほとんど変わっておらず、妥協を排して写真撮影の本質にこだわるという製品哲学も脈々と受け継がれている。これらは、今回新たに登場する「ライカM11」シリーズの最新機種「ライカM11-D」にも当てはまる。「ライカM11-D」は、構図、絞り値、シャッタースピード、ISO感度という写真撮影における基本的要素を重視するというコンセプトのカメラ。背面には液晶モニターがなく、代わりに大型のISO感度ダイヤルを搭載している。しかしながら、機能性という点では何ひとつ失われてはいない。

 撮影シーンや意図に合わせて撮影できる優れたカスタマイズ性と最新技術を駆使した接続性に加えて、「ライカM11-P」でライカコンテンツクレデンシャル機能として、カメラ内のハードウェアを通じて画像の真正性を証明する技術が採用されている。脈々と受け継がれるレンジファインダーカメラの撮影スタイルと最先端のカメラテクノロジーを融合したカメラ。外観デザインについては、シンプルなフォルムのボディにマットなブラックペイント仕上げが施され、正面には「Leica」の赤いロゴは配置していない。これにより、きわめて控えめな印象ながら時を経ても色あせることのないライカらしいデザインに仕上げられている。

 「ライカM11-D」では記録画素数を6,000万画素、3,600万画素、1800万画素から選ぶことができる。また、3GBのバッファメモリーにより、6000万画素では最大5コマ/秒の連続撮影が可能。内蔵メモリーは256GBで、また、「ライカM11」シリーズに一貫した35mmフルサイズのシステムとしてはきわめてコンパクトなボディ。重量は約540g(バッテリー含む)で、前機種「ライカM10-D」よりも100g以上の軽量化が実現した。

 また、比類なき性能を誇るMレンズで撮影できることもM型カメラの一機種としての大きなメリット。1954年以降に製造されたほぼすべてのMレンズを使用できる。撮像素子には、「ライカM11」シリーズ用に開発されたトリプルレゾリューション技術を取り入れた35mmフルサイズセンサーを採用している。ISO感度はベース感度がISO 64で、ISO 50000まで設定できる。この撮像素子とISO感度の組み合わせにより、光量が少ないシーンでもノイズを低減しながら美しい描写が実現する。

 アナログの撮影スタイルをデジタルの世界に取り入れたのが「ライカM11-D」だが、アナログの要素がメインではなく、クリエイティブプロセスのどの段階でデジタルワークフローを組み込むかは自由自在。Bluetooth機能やケーブル接続によってシームレスな接続性を実現しているほか、「Made for iPhone」「Made for iPad」としてApple社の認定を受けて、iOS機器との接続もきわめて快適かつスピーディーに行える。

 ライカ専用アプリの「Leica FOTOS」を使えば、スマートフォンと連携させて使うこともできる。画像を手軽にスマートフォンへ転送できるほか、スマートフォンからのリモート操作や画像への位置情報の追加も行える。また、撮影した画像を転送しなくてもその仕上がりをモバイル機器の画面で確認することも可能。さらに、ホワイトバランスなどの調整や記録形式(DNGまたはJPEG)の選択も「Leica FOTOS」から行える。一度「Leica FOTOS」で設定すればそれ以降は同じ設定が保持される。このように撮影シーンや意図に合わせて自由に設定して撮影を楽しむことができる。

 カメラ内のハードウェアを通じて画像の真正性を保護できるライカコンテンツクレデンシャル機能も搭載されている。この機能はコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)が推進する枠組みにもとづくもので、コンテンツの来歴および真正性のための連合(C2PA)が開発したオープンな技術規格に準拠している。撮影した画像は、その真正性をオープンソースの無料ツールやウェブサイト「Verify」でいつでも確認できう。

 「ライカM11-D」にマッチする高品質なレザーアクセサリーも新たに2種類登場。ひとつは「ライカM11-D」専用のカメラプロテクターで、背面はISO感度の設定ダイヤルの部分がカットされたデザインで、カラーはブラックとなっている。もうひとつはキャリングストラップで、1枚のレザーから作られており、「ライカM11-D」以外のM型カメラでも使用できる。カラーはブラックとコニャックの2色展開。

 ライカでは、未来を見据えた環境への取り組みとしてパッケージングの見直しを実施しており、「ライカM11-D」では新コンセプトにもとづく製品パッケージを採用している。新デザインのボックスはドイツで製造されており、材質のほぼ100%が天然素材を使用したもの。

「ライカM11-D」は、ライカストア、ライカオンラインストア、ライカブティックおよびライカ正規特約店にて2024年9月21日(土)発売予定。