2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は前年比113%の見通し/サイバー・バズら市場動向調査

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2024/11/11 06:30

 サイバー・バズは、デジタルインファクトと共同で、2024年国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査を行った。

 本調査では、企業(以降広告主と表記)によるソーシャルメディアを活用したマーケティングを目的とする年間支出額を「ソーシャルメディアマーケティング市場」と定義、これを6つのセグメントに分類し、それぞれ推計・予測した。

2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円、前年比113%の見通し 2029年には約1.8倍予想

 2024年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模は1兆2,038億円で、前年比113%となる見通し。

 ソーシャルメディアマーケティングは、企業のデジタルマーケティングにおいて不可欠なチャネルとして、持続的な成長を遂げている。各SNSプラットフォームはAIをはじめとする先端のテクノロジーを駆使して、広告主とユーザーとを最適なタイミング、組み合わせ、そしてフォーマットで結びつけ、ユーザーの消費行動を促進している。

近年は、表現力豊かなクリエイティブフォーマットの登場と、Eコマースとの連携による購買導線の強化が進んだことにより、企業にとって魅力的な販売チャネルとしても注目を集めており、その重要性は益々高まりつつある。これにより、広告主のソーシャルメディアへのマーケティング投資は、今後も継続して増加することが期待される。

 これらを背景に2029年のソーシャルメディアマーケティング市場規模は、2024年対比で177%、2兆1,313億円に達すると予測される。

 なお、2024年時点のカテゴリ別内訳は、「ソーシャルメディア広告」が1兆727億円で全体の89.1.%、これに「インフルエンサーマーケティング」が860億円で全体の7.1%。また、広告主の「SNSアカウント運用支援」が283億円で全体の2.4%、「分析ツール」が66億円で0.5%、そして「キャンペーンプランニング・コンサルティング」が102億円で0.8%と推測される。

2024年のインフルエンサーマーケティング市場 インフルエンサーと縦型動画が成長牽引し2029年には2024年比約1.9倍に

 インフルエンサーマーケティング向け需要は2024年に860億円、前年比116%と引き続き高い成長が見込まれる。

 動画による認知促進から購買までのフルファネルにおいて、その高い広告効果を期待する広告主の需要を集めている。また、動画広告の定着とともに広告運用におけるクリエイティブとしての活用も進んでおり、インフルエンサーが作るコンテンツが広告主のマーケティング活動において果たす役割やその価値が高まっている。

 ユーザーがソーシャルメディアで動画を視聴する機会は益々増えています。そこで目にする機会が日常的となったインフルエンサーの活躍は、世代や地域を超えて幅広く認知され、その結果社会全体や人々の消費行動に与える影響力はますます高まっている。

 また、縦型ショート動画の普及とともに、新たなインフルエンサーの活躍も増え、企業は自社商品・サービスの魅力を消費者に届けるうえで、新しい表現手段を得ることができ、インフルエンサーマーケティングに対する新たな需要が拡大している。

 これらを背景に、2029年には、インフルエンサーマーケティングの需要は2024年対比で約1.9倍、1,645億円に達すると予測される。

2024年のインフルエンサーマーケティング・縦型ショート動画向け需要は246億円、前年比137%の見通し/2029年には2024年比約2.6倍、636億円に

 縦型ショート動画は、広告主と消費者とのコミュニケーションの幅を、その表現力をもって広げており、そのニーズはますます高まりつつある。

 TikTokの人気を皮切りに、Instagram、YouTube、LINEなどの主要なソーシャルメディアにおいて、縦型動画フォーマットの提供が開始された。

 近年は縦型動画クリエイティブを制作する環境も整備され、各プラットフォームでショート動画に特化したインフルエンサーの活躍が目立っており、広告主のマーケティングニーズに応える縦型動画クリエイティブ制作案件を請け負っている。これらを背景に、インフルエンサーマーケティング・縦型ショート動画向け需要は、2024年に246億円、前年比137%となることが見込まれる。

 縦型ショート動画は、若年層から中高年層までのユーザーの動画視聴ニーズを捉えており、今後もますます視聴層の広がりと、視聴時間の増加が予想される。また、プラットフォーム側の動画フォーマットの改善も進められており、今後もますますユーザーを魅了するフォーマットとして支持を受けることが期待される。これらを背景に、縦型ショート動画向け需要は2029年には、2024年対比で約2.6倍、636億円に達すると予測される。

2024年のSNSアカウント運用支援/キャンペーンプランニング・コンサルティング/分析ツール市場は451億円、前年比110%の見通し

 複数のSNSが台頭し、消費者とのコミュニケーションチャネルが複層化するなかで、SNSの戦略的な活用は不可欠であり、引き続き、広告主によるSNSの戦略設計に対して根強いニーズがある。キャンペーンプランニング・コンサルティングの需要は、ソーシャルメディアマーケティング市場全体の水準に沿った成長が予想される。

 SNSアカウント運用支援は広告主による新規参入が一巡し、SNS普及期にみられた水準の成長期を過ぎているものの、現状の水準を上回る需要が今後も継続することが予想される。一方で、支援事業者への依頼をする広告主と、インハウス化を進める広告主との二極化が進み、成長が穏やかになりつつある。

 分析ツールにおいては、大手SNSプラットフォームによるAPI接続の有料化による、一部でサービス撤退や提供価格の高騰化などもみられているが、SNSアカウント運用支援/キャンペーンプランニング・コンサルティング/分析ツール向け需要は、2024年に451億円、前年比110%と好調に推移することが見込まれる。今後も、広告主によるソーシャルメディアへのマーケティング投資全体の拡大により、2029年には、2024年対比で約1.5倍の690億円に達すると予測される。

2024年のソーシャルメディア広告市場は1兆727億円、前年比113%の見通し 2029年には2024年比約1.8倍に

 2024年のソーシャルメディア広告向け需要は1兆727億円、前年比113%となる見通し。すでにインターネット広告向け需要の多くを占めるに至っており、インターネット広告市場全体のトレンドを左右する規模に達している。

 今後は、国内の社会経済の影響を受けながらも、広告主のマーケティング活動におけるソーシャルメディアの重要性の高まりを背景に、製品・サービス認知から購買までの幅広い役割を果たしながら、今後も高い水準で需要が拡大し続けることが予想される。これを背景に2029年には2024年対比で約1.8倍、1兆8,978億円に達すると予測される。

調査概要
  • 調査時期:2024年5月から2024年10月
  • 調査方法:広告会社、ソーシャルメディアマーケティング会社、インフルエンサーマーケティング会社、そのほか各種ソリューション事業者へのヒアリング、調査主体ならびに調査機関が保有するデータ、関連企業・機関データ、公開情報の収集
  • 調査機関:デジタルインファクト