ワコムは、デジタル作品の保護と著作者証明を可能にするプラットフォーム「Wacom Yuify(ワコム ユイファイ)」のオープンベータ版の提供を開始する。
マイクロマークで作品を保護
「Wacom Yuify」は、デジタル作品に目に見えない固有のデジタルIDを埋め込むことで、著作権の保護を可能にする。クリエイターは、このデジタル著作権管理プラットフォーム上で、自身の著作権記録を管理できる。現在、CLIP STUDIO PAINT、Rebelle 7、およびPhotoshopで作成された2Dイラスト作品の保護に対応している。
「Wacom Yuify」の使用方法は簡単で、CLIP STUDIO PAINT、Rebelle 7、Photoshop で作成した作品をプラグインまたはエクスポートオプションを使用してJPEG、PNG画像を書き出しするとマイクロマークが作品に埋め込まれ、「Wacom Yuify」のプラットフォーム上に永続的な著作記録を生成する。このマイクロマークは、作品の保護を支援するためにワコムが開発し、特許を取得した独自の技術。
さらに、「Wacom Yuify」は著者と作品の関係を永久的に記録することで、作品を保護する。ブロックチェーン技術を活用した著作権記録は不変かつ永続的であり、原作者と作品をデジタルで結びつける。
著者の検索
「Wacom Yuify」には、保護された著作者の記録を探索できる機能が備わっている。「Yuifinder(ユイファインダー)」ツールを使用して、保護された著作者の記録を探索可能。公開された画像をスキャンするだけで、マイクロマークが埋め込まれていれば、オリジナル作品を簡単に特定できる。また、作品とともに著作者記録、制作の背景など、作者が登録した作品の情報も閲覧できる。「Yuifinder」は、誰でもサインアップすることなく利用可能。
Yuifinderでみる
画像をダウンロードしてYuifinderでスキャンすると、作者のプロフィールが表示される。
1.リンクより画像をダウンロード
2.「Yuifinder」を開いて画像をスキャン
クリエイターの権利を保護
創作の証を自身の作品に埋め込み、管理することはクリエイターの権利を保護する上で重要。「Wacom Yuify」を活用することで、自身の作品の著作権を保護し、デジタルアートの完全性と由来を維持することができる。
インク・ディビジョンのシニアバイスプレジデントであるハイジ・ワン氏は、「分散型のデジタルの世界において、オリジナル作品のデジタルアートを制作したクリエイターの権利が守られるべきだと考えています。特に、プロとしての道を歩み始めたばかりのクリエイターにとって、自分の権利の保護が困難だと感じる方もいらっしゃると思います。Wacom Yuifyは、クリエイターの創作の証を残すことができる強力なツールです」と述べている。