博報堂DYホールディングス、画像類似度チェッカーツールをAcompany社と共同開発

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2024/12/11 09:00

 博報堂DYホールディングスは、プライバシーDXを推進するAcompanyと共同で、生成AIで生成した画像の著作権侵害リスクを自動判定するツールを開発した。一部社内での試験運用を経て、今後、博報堂DYグループにおける全社提供およびビジネス展開を進めていく。

生成AIによる生成物の類似性チェックの重要性が高まる

 広告制作の現場では生成AIの活用が進む一方、生成画像が既存著作物に類似している場合、著作権侵害のリスクが指摘されている。そのため、安全なクリエイティブ提供を実現するには、生成物の類似性チェックの必要性が高まっている。しかし、手作業による類似性確認は多くの工数がかかることが課題となっていた。

 博報堂DYホールディングスは、プライバシーテックやプライバシーガバナンスに強みを持つAcompanyと共同で、生成AIで生成された画像の著作権侵害リスクを自動で算出する画像類似度チェッカーツールを開発した。

ウェブ上の類似する既存画像を自動で検出、自動キーワード生成でより精度の高い検索が可能に

 画像類似度チェッカーツールは、チェック対象となる画像をウェブ検索することで類似性が高い既存画像を自動で検出し、類似度の高い順に表示することができる。また、画像に関連する特徴やキーワードを自動で生成し、それを用いることでより精度の高い類似画像検索が可能になり、クライアント企業に提案するクリエイティブの安全性と信頼性を担保することができる。

ツールイメージ
ツールイメージ

画像類似度チェッカーツールの特徴・機能

  • 画像のクロップ機能:チェック対象となる画像を取り込み、一部を範囲指定して検索することが可能。
  • 類似画像検索:Googleの画像検索機能とあわせて、任意のキーワードを設定し検索が可能。
  • 画像のキーワード抽出機能:チェック対象となる画像に含まれる特徴を生成AIによってキーワード抽出、そのキーワードを用いることでより精度の高い類似画像検索が可能。
  • 類似度の自動判定:チェック対象の画像と類似画像を複数のアルゴリズムを用いて評価し、類似度順でランキング化し、一定基準を上回る画像をハイライトできる。

 現在、本ツールは一部社内での試験運用を完了し、博報堂DYグループ全社への提供にむけた準備を進めている。本ツールの活用により、クライアント企業へ提案するクリエイティブの安全性を担保し、生成AIを活用した広告施策のリスクを低減できる体制を目指す。なお、現時点では本ツールは社内利用を目的としている。今後Acompanyとは本ツールのビジネス展開について協議を行い、さらに幅広い領域での活用を模索していく。