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KADOKAWAとカカオピッコマと業務提携　電子マンガマガジン「MANGAバル」の開始も

CreatorZine編集部[著]

2024/12/13 07:00

　KADOKAWAは、カカオピッコマとの間で、電子書籍事業におけるマンガコンテンツの企画・制作・配信に関する業務提携を行うことを発表。

同業務提携の目的

　KADOKAWAグループは、「世界の才能と、感動をつなぐ、クリエイティブプラットフォーマーへ」をコーポレートミッションとして掲げ、出版・IP創出、アニメ・実写映像、ゲーム、ウェブサービス、教育・EdTech事業などにおいて、多彩なポートフォリオからなるIPを安定的に創出し、事業間連携によりIPのLTVの最大化を図ることに加え、最新のテクノロジーを常に取り入れることでIPを世界に広く展開する基本戦略「グローバル・メディアミックス with Technology」を推進している。

　同社の中期経営計画においては、最終年度の2028年3月期売上高3,400億円、営業利益340億円の達成を目標として掲げている。本計画達成のためには、メディアミックスの源泉である出版・IP創出セグメントにおける新規IP数の増加が重要なドライバーであると認識し、出版事業から創出する新規IP点数を7,000点以上とすることを目指している。これに加え、近年の出版市場では電子書籍へのニーズが高まっていることから、電子書籍を起点としたIPの創出が期待されている。

　また、同社の電子書籍事業の売上高は過去5年間で年平均15.3％と伸長しており、同セグメントの中でも成長が顕著な事業。今後もコミックジャンルを中心に当該市場が成長するものと見込んでおり、同社の同事業の拡大は、グループ全体の長期的な成長を実現する上でもっとも重要な課題のひとつと認識している。

　カカオピッコマは2016年に電子マンガ・ノベルサービス「ピッコマ」をスタートし、毎日待つだけで1作品につき1話を無料で読むことができる「待てば¥0」を導入。話題の人気マンガやノベル、オリジナル作品などさまざまなジャンルの作品を配信しており、現在毎月1,000万人以上のユーザーが利用している。アプリ版「ピッコマ」は2016年4月20日のサービスリリース以来、累計4,500万ダウンロードを突破。 2023年度には日本国内での「年間取引金額1,000億円突破」と「日本アプリ市場消費者支出1位」を同時に達成した。

　同社とカカオピッコマとはこれまでも、同社の電子書籍作品の「ピッコマ」での独占配信や、「ピッコマ」が配信する人気作品の同社による紙書籍化など、多くの面で協働してきた。

　今般の業務提携において、同社の多彩なIP創出力と、カカオピッコマの強力なプラットフォーム基盤という両社の強みを連動させることで、同社は中長期的な業績成長と企業価値の向上に資するべく、以下を推進していく。

国内最大級のIP創出体制の構築

「異世界もの」など同社が従来より得意としていた分野に限定せず、少年少女から大人まで楽しめるオリジナル作品を、さまざまなジャンルにおいて高頻度で創出することに加え、作家の発掘・育成も推進し、新規IP創出力をさらに強化する。

流通面含めた電子書籍事業の拡大

カカオピッコマの強力なプラットフォーム基盤を活用することで、同社の電子書籍の流通量の増大を図り、同事業の拡大を目指す。

IPのLTV最大化

上記取り組みから、より多くのユーザーに愛されるメガヒット作品を生み出し、アニメ化や実写映像化を含め、同社によるメディアミックス展開を通じてIPの価値最大化を実現する。

業務提携の内容

　同社とカカオピッコマは、オリジナル連載作品の最新話を毎日更新で無料提供する画期的な電子マンガマガジン「MANGAバル」を開始する。

　同社編集部は、「MANGAバル」上で週単位で更新されるマンガコンテンツを企画・制作・編集する。創出するコンテンツは、同社が他社に先んじて手掛けてきた異世界ジャンルのみに留まらず、これまでの日本のマンガ市場の高成長をけん引してきた少年コミックや青年コミック、および近年人気が高まっている女性向け作品なども含め、多彩な作品を展開する予定。

　一方、カカオピッコマは、「ピッコマ」内において、「MANGAバル」立ち上げにともない、作品更新日には誰でも無料で最新話が閲覧できる新サービス「￥0マガ」を開始する。またトップ画面上部に「MANGAバル」専用の「表示領域」を設けるとともに、これまでのマンガアプリのノウハウを活用し、作品の感動と魅力を最大化する最適なUI・UXを提供する。加えて、「MANGAバル」だけでなく、そこで連載される各コンテンツについて、SNSなどを活用したさまざまな販売促進施策を実施することにより、同社の電子マンガ作品の流通量の増加と価値最大化を図る。