VTuber事業と言えば、ANYCOLORさんやカバーさんのようなIPを保有する事務所運営を中心とし、VTuberに関する技術開発、イベント運営など業界内の発展や課題解決のために開発された事業が次々と誕生しています。
1つひとつの事業をよく見ると細かな差異があるものの、業界外の方から見るとほぼ同じだと感じてしまう似通った事業が増加する傾向にあります。最近では、AVITAさんがアバターを活用したオンライン接客サービスを開発したり、OTAGROUPさんが「メタばあちゃん」プロジェクトを展開したりと、他業界の課題解決のために開発された事業も生まれてきてはいますが、まだまだ数が少ないのが現状です。
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現在uyetでは「バーチャル物産展」や「まちスパチャプロジェクト」といった、VTuberを活用した他業界の課題解決を図りながら、今までに例がないような新しい事業開発にも取り組んでいます。
今回は、他業界の課題解決をしながらVTuberを活用した事業を開発するためのポイントを、uyetの経験をふまえながら解説します。
VTuberの活動を「アバター」と「キャラクター」のどちらと捉えるか
他業界の課題解決を行う上で開発されたVTuber事業は、大きくわけて2種類あります。ひとつは、AVITAさんのオンライン接客サービスなどのように、VTuberの活動を「アバター」と捉え、活用する事業。
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もうひとつは、私たちが行っている「まちスパチャプロジェクト」や「バーチャル物産展」などのように、VTuberの活動を「キャラクター」として捉え、活用していく事業です。
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飲食店での人手不足や地方創生を実現する「VTuber事業」
たとえばAVITAさんは、サントリーホールディングスさんとともに、アバターやAI技術を活用した飲食業界のDX推進を目指して、「アバターダイニングラボ有限責任事業組合」を設立しました。
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「アバターダイニングラボ有限責任事業組合」では、昨年ワタミさんとともに、居酒屋におけるアバターと配膳ロボットを活用した完全リモートでのホールスタッフによる接客の実証実験を実施。飲食店の人手不足を解決することを目的とした検証実験が行われました。その結果、アバター1名で約20テーブルの接客が可能となり、客単価が約3%も向上したという実験データが発表されています。
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またAVITAさんはエートゥジェイさんと協業し、ECサイト内でのアバター接客のサービス連携の実現に向けた取り組みも実施しています。アバターが地域の特産品や伝統工芸品などに込められたストーリーや思いを交えて商品を販売する、接客機能つきのECサイト「よなこる」をオープンし、人手不足の解決だけでなく、地域活性化にも貢献しています。
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