ABEMA(アベマ)は、コンテクスチュアル広告のグローバルリーダーであるGumGumと共同で、「ABEMA」の人気オリジナル恋愛リアリティーショー『花束とオオカミちゃんには騙されない』の配信を対象に、昨年11月に実施した「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」実証実験の広告効果を検証。その結果、ブランド認知と興味関心を大幅に向上させる効果を実証したことを発表。
背景と目的
「コンテクスチュアル(文脈)広告」は、ウェブページのキーワードや画像などを解析し、コンテンツの文脈に合った広告をテキストメディア対象に配信する手法で、GumGumを筆頭にさまざまな広告プラットフォーマーによって広く実施されている。
昨年11月に「ABEMA」が実証実験を実施した「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」は、その技術や広告手法を番組などの映像を対象に応用するもので、番組内の特定のシーンや場所に関連する広告を該当映像の枠内に表示する新しい広告手法として、近年注目を集めている。この手法により、広告主は訴求したい商品やメッセージと関連性の高い場面内でブランドストーリーを伝えることができ、視聴者は視聴を中断されることなく、番組の文脈とともに自然にブランドメッセージを受け取ることができるため、「良質な広告体験」として広告効果も期待されう。
本実証実験には、広告主として総合旅行サイト「エクスペディア」が参加し、「ABEMA」の人気オリジナル恋愛リアリティーショー『花束とオオカミちゃんには騙されない』内の“旅行”と関連性の高いシーンに「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」が登場した。
「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」実証実験の概要
本実験は、2024年11月18日(月)から12月1日(日)までの2週間、「ABEMA」の人気オリジナル恋愛リアリティーショー『花束とオオカミちゃんには騙されない』を対象に実施された。番組内の旅行や休暇をテーマにしたシーンに合わせて、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」を挿入。映像の文脈に即した自然な広告展開が特徴で、視聴者に違和感なく映像の一部として受け入れられる効果を確認した。
実験結果
1.ブランドリフトの向上
「ABEMA」が実施したブランド調査では、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」が視聴者の「エクスペディア」に対するブランド認知が広告非表示の時と比較して151%に、興味関心が127%へとそれぞれ大幅に向上したことが確認された。これらの成果は、広告が視聴者に自然な形で受け入れられ、「エクスペディア」のブランドメッセージが記憶に残る形で効果的に伝達されたことを示している。
2.アテンションヒートマップで確認された視覚的効果
NTTデータが提供するクリエイティブ評価ソリューション「D-Planner」のアテンション解析を活用した結果、広告が挿入されたエリアにおいて視聴者の視線が集中していることが明らかになった。広告エリアの平均アテンション度合いは非広告エリアと比較して約4.8倍と大きな差が確認されている。
この結果は、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」が、映像の文脈に自然に溶け込みながら視聴者の注目を効率的に集める特性を持つことを示している。視覚的な注目を集めつつ、視聴体験を損なわない設計は、新しい広告フォーマットとしてさらなる可能性を感じさせる結果となった。
今回の実証実験では、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」が視聴者のコンテンツ体験を損なうことなく、広告効果を向上させることができる新しい手法であることが確認された。今後は、将来的には関連性の高いシーンに対するプログラマティックな広告配信、視聴者の属性や視聴環境などによって、表示するオーバーレイ広告を出し分けるといった技術確立を視野に、「コンテクスチュアルオーバーレイ広告」の可能性を模索するとともに、広告商品としての実現を目指していく。