ヒビノ、WIT COLLECTIVEと生成AIを活用した次世代エンターテインメント開発でパートナーシップ構築

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2025/06/23 09:00

 ヒビノは、同社グループで映像を中心に広告制作サービスを展開するCHホールディングスとともに、DO/AIサービスを手掛けるWIT COLLECTIVEとパートナーシップを組み、生成AIを活用した次世代エンターテインメントの開発を推進することを発表。

 今回のパートナーシップにより、ヒビノグループが持つライブエンターテインメントの大型映像技術や空間演出のプロデュース力、映像制作ノウハウと、WIT COLLECTIVEの生成AI活用力・企画力を掛け合わせることで、エンターテインメントの創造性を拡張し、ますます多様な映像体験価値の提供を目指す。

パートナーシップの背景

 同社ヒビノビジュアル Div.は、大規模コンサートから大型スポーツイベント、国際博覧会、国際会議などの現場で培った映像技術と業界屈指の機材力を土台に、2021年には映像制作技術「インカメラVFX」を提供するバーチャルプロダクションスタジオ「Hibino VFX Studio」を開設し、CM、映画、ドラマ、MVなどの撮影をサポート。2024年5月には映像制作の一気通貫体制を持つCHホールディングスをヒビノグループに迎え、バーチャルプロダクションのいっそうの普及に取り組んでいる。一方、WIT COLLECTIVEは、「ココロが動く、世界が動き出す。」を掲げ、エンターテインメントの新たな価値をプロデュースすべく、広告・映画・イベントなどの知見をもとに、最適なチームでコンセプト設計から制作・展開までを一貫して手がけており、「プロジェクト・プロデュース事業」「AIプロデュース事業」「IPプロデュース事業」の3つの事業を展開している。

 両社がともに事業展開する映像制作の現場では、昨今、制作期間の短縮、予算の最適化、そしてより柔軟なクリエイティブ表現が求められるようになっている。両社の強みであるバーチャルプロダクションや生成AIといった新技術は、こうしたニーズに応える手段として注目を集めている。

 ヒビノは、ライブエンターテインメントからバーチャルプロダクションまで幅広いフィールドで培ってきた技術と実績をもとに、映像演出表現の可能性を広げてきた。今後はWIT COLLECTIVEとの連携により、生成AIを活用した制作工程の効率化と表現の拡張を図ることで、新しい映像体験の創出を目指す。生成AIを映像制作や体験演出の現場に自然に取り入れ、次世代エンターテインメント領域のさらなる進化に貢献していきたいとの考え。

生成AIを活用して「異なる3つの集団が融合した新しいシナジー」というコンセプトでアイデアを拡張・可視化したイメージをLEDディスプレイに投影し、LED×先端技術による次世代エンターテインメント体験の研究開発拠点「Hibino Immersive Entertainment Lab」で撮影
生成AIを活用して「異なる3つの集団が融合した新しいシナジー」というコンセプトでアイデアを拡張・可視化したイメージをLEDディスプレイに投影し、LED×先端技術による次世代エンターテインメント体験の研究開発拠点「Hibino Immersive Entertainment Lab」で撮影
生成AIを活用して「異なる3つの集団が融合した新しいシナジー」というコンセプトでアイデアを拡張・可視化したイメージをLEDディスプレイに投影し、バーチャルプロダクションスタジオ「Hibino VFX Studio」で撮影
生成AIを活用して「異なる3つの集団が融合した新しいシナジー」というコンセプトでアイデアを拡張・可視化したイメージをLEDディスプレイに投影し、バーチャルプロダクションスタジオ「Hibino VFX Studio」で撮影

生成AI活用のメリットと共同開発の可能性

 高効率・高品質の実現。生成AIによりクリエイターの頭の中を具現化―映像クリエイティブにもっと自由な表現を生成AIを用いることで、クリエイターの頭の中にあるイメージを可視化・具現化するための表現の幅を格段に拡張することが可能になる。企画段階から生成AIを取り入れることによって、多数の表現の選択肢を提供することができ、その中から最適なものを追求し、柔軟なクリエイティブ表現をすることが可能となる。

 また、映像制作と生成AIの双方に精通する専門家「CreAItive Conductor(クリエイティブコンダクター)」が生成AIのアウトプットの品質をコントロールすることで、高品質な映像表現の実現が可能。

1.バーチャルプロダクションの普及促進

生成AIをCG背景の制作に取り入れ、高効率化を図ることで、中小規模のプロジェクトにおいても、表現の幅を広げながらも導入のハードルを下げ、普及率向上を後押しする。

2.没入型映像体験の共創

両社は、リアルとバーチャルをつなぐ次世代の没入体験コンテンツの開発にも注力していく。ヒビノの三次元LED技術や次世代エンターテインメント体験の研究開発拠点「Hibino Immersive Entertainment Lab」の取り組みに、WIT COLLECTIVEの創造性を融合することで、新たな「共感型イマーシブ体験」を実現。イベントやアトラクション領域における映像体験に新たな価値を創出する。

3.エンターテインメント領域での協働

コンサート・イベント領域に深い知見を持つヒビノのノウハウ・機材力・営業基盤に、WIT COLLECTIVEが強みとする体験価値のプロデュース力を掛け合わせることで、「エンターテインメント体験の総合プロデュース」が可能になる。制作からアウトプットまでを一貫して支援する体制を整え、より多様なニーズに応えていく。

今後の展開

 ヒビノグループは、大型映像サービス・映像制作サービスで培ってきた技術力・企画力を基盤に、WIT COLLECTIVEとのパートナーシップを通じて生成AIを積極的に活用し、コンセプト設計から映像表現に至るまで、より高効率・高品質な制作を推進することで、次世代エンターテインメントの創造と普及に取り組む。具体的には、これまでバーチャルプロダクションの利用にハードルがあったミュージックビデオ制作への展開拡大や、演出が重視されるスポーツエンターテインメントやコンサート分野への応用を進め、表現者が見せたい、伝えたいイメージを情緒的に具現化し、世界観に深い共感と没入を得られるような空間・体験を追求していく。アーティストやクリエイターの発想力・表現力の拡張と新たな体験価値の創出を目指し、社会に感動と驚きを届けるための挑戦を続けていく。