ヤマハは、1~2メートルのソーシャルディスタンスを保った“新しい生活様式”に対応したサービス開発に利用できる「SoundUD音響通信モジュール」の提供を開始した。
同社が開発し提唱するSoundUD(Sound Universal Design)は、音のある空間とICT機器をつなぐプラットフォームおよびテクノロジー。音声トリガーと呼ばれる一般的なスピーカーを利用して音響通信が行える技術をはじめ、BluetoothやGPSなどとも連動できる「SoundUDトリガー」を用いることで、音のICT化を実現する。
新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が解除された現在も、感染拡大を予防するための“新しい生活様式”が求められている。しかし、決済時のやりとり、通勤通学時の移動、タッチパネル式のメニューやチケット販売機など、社会生活を送るうえでソーシャルディスタンスの確保や接触を避けた生活が難しい場面は多い。
そこで、生活のさまざまなシーンで提供されている既存のアプリやサービスに組み込むだけで、サービスの魅力は損なわずに、ほかの通信方式では難しかったサービスの非接触化や1度に1対多数の素早いやりとりを実現する機能を容易に追加できる、SoundUD音響通信モジュールを提供する。
同モジュールでは、300を超える企業や団体によって共通規格化され、音響通信協会が認定している音響通信技術を使用。この技術を活用したサービスも始まっている。今回のモジュール提供によって、こうしたサービスの構築がより容易に行えるようになるという。
SoundUD音響通信活用事例は、次のとおり。
Mobility Technologies「MOV」
タクシー車内のタブレットから発信される「SoundUDトリガー」を「MOV」で受信することで車両情報とアプリ情報を紐付け、支払い時の接触を最小限にしたネット決済が行える。タブレットが設置されている一部エリアのタクシーからスタートし、2020年8月には全国1.5万台以上での利用が可能となる予定。
ニューフォリア「アプリカン」
店内のスピーカーから「SoundUDトリガー」を再生することで、店員とのやり取りなくポイントやスタンプを付与できる「非接触型の来店ポイント付与機能」を提供。複数の大手ラーメンチェーンなどで活用されている。