丹青社、展示空間を鑑賞できるMRコンテンツ開発 ドコモのウェアラブルヘッドセットで新たな体験を提供

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2020/07/03 07:00

 商業施設・文化施設などの空間づくりをおこなう丹⻘社は、NTTドコモとのICT技術を活用した空間価値創出に向けた協業の一環として、ドコモが日本で初めて販売を開始したウェアラブルヘッドセット「Magic Leap 1(マジックリープワン)」で鑑賞できるMR(Mixed Reality:複合現実)コンテンツを開発した。三次元デジタル技術とMR技術を組み合わせることで実現した、新たな文化体験モデルを提案する。

コンテンツ体験のイメージ
コンテンツ体験のイメージ

 同コンテンツは、一定期間で撤去されてしまう展示やインスタレーションなどを三次元デジタル技術などによりデジタルアーカイブ化し、展示期間終了後でもMagic Leap 1を用いて鑑賞できるようにするもの。同製品の高精度の空間認識機能により空間に作品を再出現させ、写真や映像では難しい臨場感のある鑑賞体験を実現する。

 今回は、丹青社がサービスを提供するアート・工芸のプラットフォーム「B-OWND」の参画アーティストである四代 田辺竹雲斎氏の作品「竹によるインスタレーション-Gather-」(2019年発表)を再現。後日、実際に体験できるイベントの開催も予定している。

コンテンツ内容詳細

 2019年8月19日~9月27日に丹青社 本社 クリエイティブミーツにおいて展示公開された「竹によるインスタレーション-Gather-」を、当時の撮影データを用い、MRコンテンツとして高精度に再現した。

「竹によるインスタレーション-Gather-」制作風景(丹青社 本社 クリエイティブミーツ 2019年8月15日)/撮影:石上洋

「竹によるインスタレーション-Gather-」制作風景
(丹青社 本社 クリエイティブミーツ 2019年8月15日)/撮影:石上洋

 同コンテンツでは、撤去されたインスタレーションなどをMRにより再出現させ、新たな鑑賞体験を提供している。空間全体を作品とするインスタレーションは、映像や写真の記録だけでは実際の展示を追体験することが難しい芸術といわれている。そこで、インスタレーションを三次元デジタルアーカイブ化し、高精度の空間認識機能を持つ同製品を用いることで、あたかも作品がそこにあるかのような臨場感ある体験を可能としている。

開発イメージ
開発イメージ
  • 作品発表時の展示位置に三次元モデルが出現するため、当時と同様のアングルから作品を鑑賞できる。
  • 作品の制作風景動画や作者の紹介動画といった補足情報もアプリケーション上で閲覧でき、鑑賞者の興味関心の対象や深度にあわせた楽しみ方を提供できる。

 両社は2018年7月より、丹青社が蓄積した空間づくりのノウハウと、ドコモのICT技術・ソリューションを掛け合わせ、デジタルトランスフォーメーションを推進した空間価値創出に向けた協業を進めている。今回の取り組みもその一環として、これからの5G時代、アフターコロナの新時代に、リアル空間との相乗効果を生み出すXR市場での価値創出をめざして実施するものだという。