パナソニック、次世代ライブ映像制作システム IT/IPプラットフォーム KAIROSを発売

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2020/09/18 06:00

 パナソニックの社内分社であるコネクティッドソリューションズ社は、プロスポーツ、コンサートなどの各種イベントおよび放送局の映像制作・会場演出・映像配信の用途に向けて、ライブ映像制作のクオリティと生産性を飛躍的に向上させる次世代ライブ映像制作システム「IT/IPプラットフォーム"KAIROS(ケイロス)"」を発売した。

 同システムでは、ハードウェアはCPU/GPUを持つ汎用IT機器を採用することで最先端のIT技術を享受し、GPUを使い従来にない高い自由度のライブ映像処理を低遅延で実現する独自の革新的なソフトウェア技術を基幹に、オープンソフトウェアアーキテクチャーを採用。システムとして高い柔軟性と拡張性を擁している。

 さらに、ソフトやハードを問わず急速に進化するITエコシステムの活用を加速するために、「KAIROSアライアンスパートナーズ」を設立。パートナー製品との連携やシステム統合化を推進し、次世代映像制作プラットフォームのデファクトスタンダードとなることを目指している。

 同システムではパナソニックが推奨するコンセプト「スマートライブプロダクション」の中核となる「創る」を担い、同社が強みを持つ「撮る=カメラ商品群」「映す=プロジェクター/ディスプレー商品群」の商材を有機的につなぎ、積極的なビジネス展開を図っていく考え。

 同システムはSDIなどベースバンドだけでなく、ST 2110、NDIなど多彩な映像入出力に対応。最新のIPテクノロジーをフルにサポートし、ライブビデオ制作のリモートオペレーションを実現する。GPUで映像処理をすることにより、ME数、KEY数に制約されないマルチレイヤー、解像度や画角にとらわれない“CANVAS”スクリーンなど、自由な映像制作が可能だという。

 直感的で使いやすいGUIソフトウェア、レイアウトを自由にカスタマイズできるコントロールパネルは操作性にすぐれ、省スペースでの運用を実現。なおかつ、最短1フレームの低遅延を実現し、PTP同期もサポートしているため、スポーツシーンやミュージックライブにおいても臨場感を損なわないライブ演出が可能とのこと。

 主な特徴は、次のとおり。

ST 2110、NDI、SDIなど多彩な入出力インターフェイスと映像フォーマットの組み合わせが自在

  • ベースバンド信号(12G/3G/HD-SDI、HDMI、Display Port)、IPパケット(ST 2110、NDI、RTP)の入出力をフルにサポートしている。
  • 接続できる入出力数には制限はなく、外部ルーターを使用した場合と同様の多入力運用が可能。同時使用数はHD(3G)で32入力/16独立出力、4K(UHD)では8入力/4独立出力。
  • カスタマイズ可能なマルチビューワー出力(Display Port)を2基備え、最大36の映像を表示可能。
  • PTP(Precision Time Protocol)同期に対応し、ST 2110ベースのシステムで運用が可能。

ME/KEY数フリーのレイヤー、画角フリーの“CANVAS”など、GPU処理による自在の映像表現

  • ME数・KEY数の制約はなし。GPUパワーの許す限りレイヤーを重ね、KEY、スケーリング、ほかエフェクトの適用が可能。カラーマットも装備。
  • CANVAS機能(オプション)は、16:9の標準画角だけでなく、32:9(ウォールディスプレイ)など特殊な画角の映像制作が可能。マルチビューワーには特殊な画角の映像もそのまま表示できる。
  • 遅延は最短1フレーム。スポーツシーン、ミュージックライブの臨場感を損なわないライブ演出に対応。
  • RAMレコーダー(8 ch/非圧縮)とメディアプレーヤー(HD 2 ch/圧縮)を備え、システム内で動画ファイルを再生し映像ソースとして使用可能。静止画ファイルにも対応する。

直感的なGUI、キーアサインできるコントロールパネル、ソフトウェアベースの操作性と拡張性

  • 直感的で使いやすいGUIのPCソフトウェア“KAIROSクリエーター”。GUIコントロールパネル表示もでき、省スペースの運用にも対応する。
  • 機能拡張や外部機器連携にはアプリケーションソフトウェアの追加で対応できる設計により、用途とユーザーニーズに応じた無駄のないシステム設計が可能。
  • ITおよび映像のメーカー、サプライヤー各社との協業“KAIROSアライアンスパートナー”を設立。ソフトウェアの追加による機能拡張、外部デバイスとの連携を推進する。