三井化学とリトルソフトウェア、感情状態を出力する「PIEZOLA Emotion アプリ」を共同開発

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2021/10/07 05:00

 三井化学は、同社のフレキシブル・高感度・極細の接触・振動センシング基材「PIEZOLA」を椅子用バイタルセンサに用いて、リトルソフトウェアのHuMAN Affective AIプラットフォームと融合を図ったシステム「PIEZOLA Emotionアプリ」を開発した。

 同アプリでは、椅子上のマットに搭載したPIEZOLAが、心電計などの測定器を装着することなく、座るだけで心拍数や呼吸数、体動値などのバイタル信号を検出し、さらに、リトルソフトウェア社のHuMAN Affective AIを用いることで、7つの感情状態(平常心、リラックス、ストレス〈超集中状態〉、イライラ、ポジティブ、ネガティブ、集中)を可視化することが可能となる。

 同社は、同アプリを、ヘルスケア、化粧品、自動車、スポーツ、玩具、食品、アミューズメント、レジャー、教育、広告、マスメディア、eスポーツなどの業界に対して、アンケート(主観)だけではわからない、利用者の心理状態を読み解くツールとしてのソリューション情報サービスを提案していく。

 PIEZOLAはフレキシブル・高感度・極細の接触・振動センシング基材。今回はその高感度と柔軟性を生かして椅子座面に配置することで、座った人の脈拍などのバイタル信号を検出する。なお、同アプリ画面に表示されるPIEZOLAが検出したバイタル情報は疾病の診断、治療などには使えないとのこと。

 主な特徴は次のとおり。

  • 柔軟かつ高感度であるため、ベッドマットや座布団の下に設置し、非接触で心拍および呼吸に伴う振動を検知可能
  • 自由に切って、好みの長さで使えるため、設置が容易で、広面積の振動を検知可能
  • 同軸線構造なので静電シールド性が確保でき低ノイズ
  • 非焦電性の有機圧電材料を適用することで温度変化に反応せず低ノイズ
  • 低速回転機器の低周波振動(0.1Hz~1Hz)も高感度で検知でき、故障診断・故障予測に適用可能
  • 直径φ0.7mmと細いため、極小空間への設置可能